「雑 記」
烏のおぼえ書き
烏のおぼえ書き~其の二百三十・東京市の教育組織
戦前の東京には20万名余りの在学児童がいました。その子達が通う小学校はおよそ200校、教員は5000名ほどだったとのこと。大体1校辺り生徒1000人、教員25名くらいと言ったところでしょうか。
当時は4学年ですから一学年250名、教員は校長教頭補助教員もいるでしょうから一学年4~5名くらいとすると、ひとクラス50名前後といったところでしょうか。
少子化の現代だと信じられない多さかもしれませんが、私達が子供だった頃(団塊ジュニア世代)はこんなものでしたから、『講義をするだけ』なら何とかなったのでしょう。尤も現代に比べて教員のお仕事は少なかったでしょうし、煩い親も居なかった/(^o^)\
子供たちも目立つ行動さえしなければ教員から変な干渉をされないという絶妙な人数だったのでしょう(^_^;)手取り足取りを望む子供には物足りないのかもしれませんが、当時はこれでも全然OKでした。
また、普通教育の他、実務教育の小学校もありました。具体例をあげますと、商業補修学校25校、工業補修学校5校、裁縫補修学校3校の外各科を併合したもの31校の合計64校、その生徒総数10736名だったそうです。現代でもそうですが、幼い頃から将来の職業を決めていて実務学校に行く子はなかなかいるものではない・・・その意志の強さに脱帽です。
科目は石版印刷、建築、自動車修繕、鉄筋コンクリート、タイプライター等特殊な物を加えて実務の便に応じていたとのこと。 本当の即戦力を育てていたようです。
特殊学校ではろう学校1校、知的障害児に対しては小学校27校に補助学級33を置いていました。ただ、当時は病気や遺伝的要因での障害児と単純に勉強ができない子を一緒くたにまとめていたらしい(^_^;)たぶん一般の子たちも同様に能力別クラス分けだったのでしょう。その方が教える側も教わる側も負担が軽くて済みますし、知識も身につきますしねぇ。
勉強が苦手な子にはそれに合わせた丁寧な指導が必要なのです。ある程度できる奴は自分自身で学べるので雑でもかまわないですが(おいっ)結局親のプライドが子供の学習環境を破壊しているんですよね~(-_-;)昨今の徒競走じゃないですが、各自の能力・長所を無視した悪しき平等は要らないと思ってます。
(覚えるのが苦手な子は一度覚えるとなかなか忘れないという長所を持ち合わせていることが多いので、そこを活かしたのんびり丁寧な教育をすればいいと思うのですが・・・現代では難しいらしい)
中学校は公立私立と色々あったらしいのですが東京市立としては中学校2校、高等女学校2校、商業学校2校がありました。
社会教育は各方面に分かれ、成人教育として市民講座、商工業青年修養会、市民音楽、活動写真等、市民体育のためには各種運動会、諸講習会を儲けている。全市22箇所、生徒総数452に達する青年訓練所もそのひとつだったそうです。
余談ですが教員の異動はかなり多かったようです。また帝都としての特殊な訓育も必要とあって特に教員講習所を置いて、他府県より採用する教員の補充教育及び専門教育を行っていたとのこと。まぁ、中央政府のお膝元ですから、教育委員会?も手が抜けなかったのでしょう(^_^;)あともしかしたら教員間で広がりやすかった共産運動の予防的な要素もあったかもしれません。
まぁね、卒業した教え子が『センセー、職場がブラックで辛い(´;ω;`)』なんて訴えようものなら、熱血教師は立ち上がっちゃうでしょう。非常勤講師でさえ自分の教え子は一番かわいいと思いますからねぇ。戦前の教師なら尚更かも。自分自身と言うよりは教え子の生命や健康を守りたいがため労働運動に足を突っ込んじゃう教師もいたかもしれません。
(流石に現代は教職そのものがブラック過ぎて教え子まで手が回らないケド(^_^;)教職のブラック企業化はサヨク嫌いの国の陰謀じゃないかとも思えてくるwww)
次回更新は10/17、保健衛生事業について取り上げる予定です(๑•̀ㅂ•́)و✧
【創作関連】
本文でも書かせていただきましたが、卒業した教え子の労働環境を改善するために共産運動に身を投じる若き男性教員とか、書いてみたいですねぇ(๑•̀ㅂ•́)و✧
『二十四の瞳』のような、穏やかな学校の風景というのも魅力的ですが東京やその近辺の学校だとそれこそ山の中の分校でしか無理でしょうし(^_^;)(意外と首都圏も分校多いです)
共産運動に限らず、中央メイン勢力vsそれに対抗するリベラル勢という構図、明治時代から現代まで繰り返されているんですよね~(-_-;)現代の状況と比較しつつチャレンジしてみたいネタです。
(労働環境の悪さも中央の横暴も戦前の状況とよく似てる・・・タイムリープなら同じ結果になるのでしょうが、現実世界では多少でも結果を変えていきたいところです(*^_^*))
【参考・引用文献】
新板 大東京案内 下(今和次郎 編纂 ちくま学芸文庫)
当時は4学年ですから一学年250名、教員は校長教頭補助教員もいるでしょうから一学年4~5名くらいとすると、ひとクラス50名前後といったところでしょうか。
少子化の現代だと信じられない多さかもしれませんが、私達が子供だった頃(団塊ジュニア世代)はこんなものでしたから、『講義をするだけ』なら何とかなったのでしょう。尤も現代に比べて教員のお仕事は少なかったでしょうし、煩い親も居なかった/(^o^)\
子供たちも目立つ行動さえしなければ教員から変な干渉をされないという絶妙な人数だったのでしょう(^_^;)手取り足取りを望む子供には物足りないのかもしれませんが、当時はこれでも全然OKでした。
また、普通教育の他、実務教育の小学校もありました。具体例をあげますと、商業補修学校25校、工業補修学校5校、裁縫補修学校3校の外各科を併合したもの31校の合計64校、その生徒総数10736名だったそうです。現代でもそうですが、幼い頃から将来の職業を決めていて実務学校に行く子はなかなかいるものではない・・・その意志の強さに脱帽です。
科目は石版印刷、建築、自動車修繕、鉄筋コンクリート、タイプライター等特殊な物を加えて実務の便に応じていたとのこと。 本当の即戦力を育てていたようです。
特殊学校ではろう学校1校、知的障害児に対しては小学校27校に補助学級33を置いていました。ただ、当時は病気や遺伝的要因での障害児と単純に勉強ができない子を一緒くたにまとめていたらしい(^_^;)たぶん一般の子たちも同様に能力別クラス分けだったのでしょう。その方が教える側も教わる側も負担が軽くて済みますし、知識も身につきますしねぇ。
勉強が苦手な子にはそれに合わせた丁寧な指導が必要なのです。ある程度できる奴は自分自身で学べるので雑でもかまわないですが(おいっ)結局親のプライドが子供の学習環境を破壊しているんですよね~(-_-;)昨今の徒競走じゃないですが、各自の能力・長所を無視した悪しき平等は要らないと思ってます。
(覚えるのが苦手な子は一度覚えるとなかなか忘れないという長所を持ち合わせていることが多いので、そこを活かしたのんびり丁寧な教育をすればいいと思うのですが・・・現代では難しいらしい)
中学校は公立私立と色々あったらしいのですが東京市立としては中学校2校、高等女学校2校、商業学校2校がありました。
社会教育は各方面に分かれ、成人教育として市民講座、商工業青年修養会、市民音楽、活動写真等、市民体育のためには各種運動会、諸講習会を儲けている。全市22箇所、生徒総数452に達する青年訓練所もそのひとつだったそうです。
余談ですが教員の異動はかなり多かったようです。また帝都としての特殊な訓育も必要とあって特に教員講習所を置いて、他府県より採用する教員の補充教育及び専門教育を行っていたとのこと。まぁ、中央政府のお膝元ですから、教育委員会?も手が抜けなかったのでしょう(^_^;)あともしかしたら教員間で広がりやすかった共産運動の予防的な要素もあったかもしれません。
まぁね、卒業した教え子が『センセー、職場がブラックで辛い(´;ω;`)』なんて訴えようものなら、熱血教師は立ち上がっちゃうでしょう。非常勤講師でさえ自分の教え子は一番かわいいと思いますからねぇ。戦前の教師なら尚更かも。自分自身と言うよりは教え子の生命や健康を守りたいがため労働運動に足を突っ込んじゃう教師もいたかもしれません。
(流石に現代は教職そのものがブラック過ぎて教え子まで手が回らないケド(^_^;)教職のブラック企業化はサヨク嫌いの国の陰謀じゃないかとも思えてくるwww)
次回更新は10/17、保健衛生事業について取り上げる予定です(๑•̀ㅂ•́)و✧
【創作関連】
本文でも書かせていただきましたが、卒業した教え子の労働環境を改善するために共産運動に身を投じる若き男性教員とか、書いてみたいですねぇ(๑•̀ㅂ•́)و✧
『二十四の瞳』のような、穏やかな学校の風景というのも魅力的ですが東京やその近辺の学校だとそれこそ山の中の分校でしか無理でしょうし(^_^;)(意外と首都圏も分校多いです)
共産運動に限らず、中央メイン勢力vsそれに対抗するリベラル勢という構図、明治時代から現代まで繰り返されているんですよね~(-_-;)現代の状況と比較しつつチャレンジしてみたいネタです。
(労働環境の悪さも中央の横暴も戦前の状況とよく似てる・・・タイムリープなら同じ結果になるのでしょうが、現実世界では多少でも結果を変えていきたいところです(*^_^*))
【参考・引用文献】
新板 大東京案内 下(今和次郎 編纂 ちくま学芸文庫)
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