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「紅柊(R-15~大人向け)」
甲午・春夏の章

藤の秘蜜・其の参~天保五年四月の密会(★)

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 先程より強くなった薫風が若葉を揺らし、その葉音が爽やかに辺りに響く。そんな初夏らしい外の景色と打って変わり、茶屋の一室は淫靡な気配に支配されていた。

「こんな・・・・・感じ?」

 瞼を閉じて縫に身を任せている芳太郎に、縫が囁く。いつになく柔らかい、欲情を含んだ縫の声は芳太郎の耳をくすぐり、芳太郎をますます高ぶらせる。

「ええ・・・・・もっと強くても・・・・・うっ。」

 芳太郎がねだった瞬間、縫の手にさらに力が篭り、芳太郎は思わずおなごのような甘い声を上げてしまった。下帯は先走りで湿り始め、その下に感じられる芳太朗の逸物は熱を持ってぴくぴくと蠢く。だが、下帯越しの愛撫はあまりにももどかしく、業を煮やした芳太郎は縫に催促する。

「そろそろ・・・・・直接、触ってくださいよ。」

「だめ、よ。もうちょっと我慢なさい、芳ちゃん。」

 情けない声を上げる芳太郎に対し、悪戯っぽく縫が囁く。今までとは違い、攻勢に回った心の余裕からだろうか、それとも一度気を遣ってしまったからだろうか。縫は焦らすように芳太朗の逸物を撫で続ける。その愛撫を少しでも強く感じようと、芳太郎は縫の掌に逸物を押し付けようとするが、そうするとするりと縫の手は逃げてしまう。

「さっきのお返しよ・・・・・さんざん人のことを翻弄してくれて。」

 縫は妖艶な笑みを浮かべ芳太郎の唇に己の唇を重ねる。そしてさすがにこれ以上翻弄するのは可哀想だと思ったのか、縫はようやく芳太郎の下帯を緩め、はちきれんばかりに怒張している逸物を引っ張りだした。

「もう、こんなにしちゃって・・・・・。」

 芳太郎の逸物をゆっくりと撫で回しながら縫は芳太郎の耳許で囁いた。その瞬間、露わになっていた縫の胸が芳太郎の腕に押し付けられる。温かく、蕩けそうな柔らかさに、芳太郎は無意識のうちに自らの腕を縫の胸に押し付けるが、その柔らかな感触を堪能したかしないかのその刹那、縫の身体がふっ、と離れた。

「お縫さん・・・・・?」

 怪訝に思った芳太郎が声を掛けたその時である。痛いくらいに怒張した逸物に、縫の指とは明らかに違う感触を感じたのだ。

「ま、待って・・・・・!」

 芳太郎は慌てて止めに入る。指とは違う、柔らかく濡れた感触―――――それは縫の舌であったのだ。芳太郎の脚の間で、縫が芳太郎の逸物に顔を寄せちろちろと舌先で舐めている。脈打つ裏筋から先走りを滲ませている鈴口へと、それこそ宝物を扱うように丁寧に舐めてくれているのだが、その丁寧さが芳太郎にとってむしろもどかしい。

「お縫さん・・・・・もっと激しく・・・・・。」

 芳太郎は思わず縫の頭を押さえつけてしまった。

「・・・・・もっと激しく、どうして欲しいの?芳ちゃん?」

 先程のお返しとばかりに、縫が意地悪く尋ねる。その上目遣いの視線を恨めしく思いながら芳太郎は懇願する。

「もっと激しく弄ってください・・・・・これじゃあ蛇の生殺しです。」

「こうかしら?」

 そう言うなり、縫は芳太郎の先端をぱくり、と口に咥えた。そしてさらにちゅるり、と逸物の先端を吸い上げながら、雁首を舐め回し始めたのである。蜜壺とは違う、舌が這いずりまわるその感触に、芳太郎は快楽の呻き声を上げてしまう。

「ううっ・・・・・それです、お縫さん・・・・・ああっ!」

 あまりの気持ちよさに芳太郎は思わず縫の頭を掴み、逸物を縫の口に押し込んでしまった。その瞬間、逸物に喉を塞がれてしまった縫がむせて、逸物を吐き出してしまう。

「す、済みません!大丈夫ですか、お縫さん?」

 芳太郎は慌てるが、縫は呼吸を整えると芳太郎の首筋に抱きつく。

「大丈夫なわけ、ないでしょう?こんなに大きなものをいきなり喉の奥に突き入れられたんだから。」

 片手で芳太郎の逸物を強く握りしめ、縫は少し怒ったような声で囁いた。

「それくらい・・・・・気持よかったんです。」

 芳太郎は小さな声で謝ると、縫のご機嫌を取るように唇を重ねる。そして改めて縫を横たえると、両脚を大きく広げた。芳太郎への愛撫で気持ちが昂ぶっていたのか、縫の花弁は濃厚な秘蜜を湛え、芳太郎を待ち構えている。

「今度は下の口を堪能させてもらいますよ。こっちなら余裕で俺を受け入れられるでしょう?」

 芳太郎は意味深な笑みを浮かべると、何かを言い返そうとする縫の蜜壺に己の逸物を突き入れた。



 ひと月に一度の交わりは、短い時間に一ヶ月分の想いをすべて込める分、自然と濃厚になってゆく。さらにほぼ毎日顔を見合わせながら手を握ることさえ適わないという焦れったさも二人を燃え上がらせるのだろう。
 子供を産み、若い娘ほどの締りは望めない縫の蜜壺も、長い時間情交を楽しことができると芳太郎はむしろ歓迎している。

「ねぇ、お縫さん。」

 芳太郎は上体を縫の身体にぴったりくっつけながら耳朶を甘噛みする。縫に甘える仕草をする、こんな時の芳太郎は得てして子供のような我儘を言うことが多い。

「いっそ・・・・・既成事実を作ってしまえば、俺達の結婚って許してもらえると思いませんか?」

 いつものことながら、不可能な我儘を言い出す芳太郎を縫は半ば怒り口調で宥める。

「だめに・・・・・決まっているでしょ。仮にも武士が・・・・・あんっ。」

 不意に激しさを増した芳太郎の腰使いに縫が愛らしい嬌声を上げてしまった。鍛え上げている芳太郎の胸板に縋りながら、縫は快楽の波に溺れないよう耐えているが、呑み込まれてしまうのの時間の問題だろう。そんな縫を更に強く抱きしめながら、芳太郎は縫の頬に己の頬を摺り寄せ、己の中の不安を縫にぶつける。

「怖いんです。誰かがお縫さんを奪っていってしまいそうで・・・・・。」

 そんな芳太郎の不安を縫は一笑に付した。

「心配しないで・・・・・二度も離縁された年増なんて芳ちゃん以外見向きもしないわよ。」

 だが、芳太郎は縫の言葉に満足しなかった。

「それが本当だったら田辺や他の男達がお縫さんに言い寄ったりしないでしょ。」

 それこそ拗ねた子供のように唇を尖らせ、縫を恨めしげに見つめる。確かに縫には甘える素振りを見せる芳太郎だがここまで拗ねるのも珍しい。いつになく絡む芳太郎に縫は微かな違和感を覚える。

「ねぇ、芳ちゃん・・・・・あなた、何を焦っているの?」

 思わず零れた縫の言葉に、芳太郎の動きが不意に止まった。

 欲情に溺れていた芳太郎と縫の間に清冽な空気が流れ込む。芳太郎は縫の瞳をじっと見つめた後、ほろ苦い笑みを浮かべた。

「焦っている・・・・・そうですね。確かにお縫さんの言うとおりかもしれない。」

 複雑な表情を浮かべた芳太郎の頬に手を添え、縫は小首を傾げる。

「一体・・・・・何があったの?」

「今年も・・・・・御様御用が中止になってしまったんです。」

 縫の問いかけに芳太郎は悲しげに微笑むと、縫の肩に顔を埋めた。

「御様御用をつつがなく果たせたら、正々堂々とお縫さんを妻にしたいと園田のおやっさんに申し出をしようと思っていたのに。」

「本当に・・・・・馬鹿な子。」

 縫は自分の肩に顔を埋める芳太郎の頭をそっと抱きしめる。

「別に夫婦にならなくったってこうやって逢うことはできるんだし、夫婦という形に拘ることはないでしょう。それでも心配なら・・・・・。」

 縫は自分の肩に顔を埋めている芳太郎の耳許に優しく囁く。

「・・・・・約束してあげる。芳ちゃんが私に愛想を尽かすまで、ず~っと傍にいてあげるし、待っていてあげるって。」

「本当・・・・・ですか?」

 芳太郎は縫の肩から顔を上げ、縫の顔をまじまじと見つめる。

「ええ。だって芳ちゃんだって私をずっと想い続けていてくれたんだもの。それくらいは当然でしょ?」

 縫は芳太郎の瞳をじっと見つめ、真顔で答えた。その視線に嘘偽りはないと芳太郎は確信する。

「ありがとう、お縫さん・・・・・。」

 芳太郎は再び縫の唇を吸うと、先程よりも激しく腰を動かし始めた。閨の口約束でしかないことは重々承知している。だが、それを縫の口から直接聞けたということが重要なのだ。絶対に、腕の中にいる縫を妻に――――――芳太郎の想いはますます強くなる。

(五年・・・・・いや、三年以内には絶対御様御用を拝命されるように修行しないと。)

 今にも爆発してしまいそうな逸物に耐えながら、芳太郎は強く心に誓った。



 ひと月分の思いの丈を全て吐き出してしまった後、芳太郎と縫は亀戸天神の藤の花を愛でるため境内に入った。すでに夕暮れということもあり、見物客はかなり少なくなっている。黄昏の色に邪魔されて藤本来の淡い紫色は堪能できなかったが、それでも咲き誇る藤の素晴らしさは変わらない。

「今度はもっと明るいうちに来ないとね。」

 池の畔に立ちながら、縫が芳太郎に語りかける。御高祖頭巾を被っていることもあるが、夕暮れの光の中では縫の頬の痣も目立たない。

「でないと、水面に映る藤が楽しめないんですもの。」

 確かに夕日に煌めく水面では映り込む淡い紫を堪能することは出来ない。『紫の水を流すが如し』と謳われる亀戸天神の水鏡を密かに楽しみにしていた縫は少しがっかりした表情を浮かべた。

「そうですか?・・・・・俺は別にどっちでも良いですけど。」

 まるで興味が無いような口調で返事を返すと、芳太郎は水面を見つめている縫を背後から抱き締めた。

「ちょ・・・・・芳ちゃん!ひと目が・・・・・・!」

 まさか芳太郎がこんな大胆な行動に出ると思っていなかった縫は慌てるが、そんな事はお構いなく芳太郎は縫を抱く腕に力を込める。

「大丈夫。こんな黄昏時じゃ顔なんて判らないですよ。」

 芳太郎は抱きしめた縫の耳許に唇を寄せ、どうしても言っておきたい一言を口にした。

「・・・・・絶対に、三年以内にお縫さんを娶ります。だからもうちょっとだけ待っていてください。」

 芳太郎の真摯な告白に、縫は無言で頷く。

「・・・・・。」

 黄昏の光で見た目には判らなかったが、縫の頬や耳朶が熱を帯びるのを肌で感じる。藤棚から漂う甘い蜜の香りの中、芳太郎は縫を自分の方へ向き直させるとそっと唇を重ねた。



 いつかは縫を妻に―――――その意思を強くした芳太郎の許に思いがけない知らせが届いたのはこの逢瀬の翌日、吉昌が十日に一度の登城から帰宅した時であった。



UP DATE 2013.4.16

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月に一度の情事の中、縫の前で弱音を吐いてしまった芳太郎です(*´艸`*)エロでは縫を翻弄しながらも、結局のところ『年下の男の子』なんですよね~。頼り甲斐のある『お姉さん』の前では甘えん坊になってしまうのでしょう。ま、普段は山田一門の高弟として、家中では有望な若手御徒として八面六臂の活躍をしている芳太郎ですから、これくらいは大目に見てやってください(^_^;)

あとコトが終わった後、藤の花見に出向いた際芳太郎が縫に『待っていてください』と告げていますが、非公式のプロポーズと受け取ってください(笑)この時代、結婚申込はその家の家長にするものであって、結婚相手本人にいう必要は無いのですが、芳太郎としてはまず縫に自分の『本気』を知ってもらいたかったのでしょう。というか、たぶん縫のOKが出れば縫の父親からの了承は得られると思っているフシがあります(爆)まぁ、二度も出戻ってきている、やたら気が強い年増の娘じゃ父親も色々諦めるでしょう(おいっ)勿論芳太郎もそれを狙って(ゴマすり?)藩のお仕事もかなり精力的に行なっております(*^_^*)

次回更新は4/23、吉政が江戸城から持ち帰ってきた話が何なのか・・・・・どうやら芳太郎にも関わってくる話のようです。★は付きませんが宜しかったらお付き合いのほどよろしくお願いしますね♪

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