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「紅柊(R-15~大人向け)」
甲午・秋冬の章

鮫ヶ橋の残暑・其の貳~天保五年八月の房事(★)

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 いつ崩れてもおかしくない掘っ立て小屋ばかり立ち並ぶ鮫ヶ橋の一角から、獣のような女の声が響き渡る。それは夕波の局見世の中からだった。岡場所でもある鮫ヶ橋、昼日中からそれと判る声を上げる女は珍しくないが、夕波のそれは特にひどい。慣れているはずの住人でさえ眉を顰め、その場から離れていった。

「・・・・・効くだろう、夕波。これをやるとどんな女でも腰砕けになるぜ」

 昏い愉悦を含んだ新實の声が夕波の股間に響いたその瞬間、新實の舌が濡れそぼる花芽をペロリ、と舐め上げる。

「ひぃっ!!」

 新實の舌が花芽に触れた瞬間、夕波はあられもない声を上げ、股間を新實の顔に擦りつけた。全身を駆け巡る、痺れにも似た快感に夕波は瞬く間に溺れてしまう。

「あふっ、な、何をやってんだよぉ!」」

 文句を言いながらも欲望を満たそうと無意識に新實の顔をまたいだ足の間では、新實が舌と歯で夕波の花弁を愛撫していた。その愛撫から逃げようと夕波は腰を揺するが新實にしっかり掴まれて逃げることも叶わない。
 夕波の秘所からは止めどなく蜜が溢れ、新實の顎や鼻を瞬く間に濡らしてしまう。だが、それだからといって新實の責が終わる訳がない。
 舌や歯を使った愛撫は際限なく、ちゅるりと甘く吸われたと思ったら、次の瞬間は食い千切られるかと思うほど強く噛まれたりもする。次の瞬間どんな愛撫に翻弄されるか判らない状況に、夕波はますます昂ぶってゆく。

「も、もう堪忍してぇ!」

 とうとう愛撫に耐え切れなくなった夕波は再び崩れ落ち、新實の腹の上でぐったりと伸びてしまった。それでも新實の逸物を握りしめたまま離さないのはさすがである

「おいおい、町名主まで咥え込んで絞り尽くす毒婦が可愛いもんじゃねぇか」

 新實はひくひくと痙攣している蜜壺に指を挿れながら、夕波を茶化す。そんな新實に苛立ちを思えたのか、ぐったりしながらも夕波は反論する。

「あ、あんたがいけないんじゃないか!わっちをこんなに翻弄して・・・・・・あうっ!」

 新實が夕波の膣内で指を曲げた瞬間、夕波は背を仰け反らせ、嬌声を上げた。ぐねぐねと予測不可能な動きをする新實の指は、憎まれ口を叩く娼妓を従順な下僕へと変えてゆく。新實の指技に、夕波は腰を振りつつ反応せざるを得ない状況に追い込まれていた。

「普段おめぇを犯っている野郎どもはどんだけ貧相なんだ?」

 翻弄され嬌声を上げ続ける夕波とは対照的に、新實は冷ややかな声で夕波に尋ねる。

「し、知らないよ!あんたが・・・・・・うますぎるんじゃないかっ!」

 それでも娼妓の意地なのか、新實の逸物を握ったまま再び愛撫を始めた。爪で裏筋を引っ掻き、先走りが滲む鈴口や雁首に舌を這わせる。陰嚢や菊座も刺激して自らへの愛撫の手を緩めさせようと努力するが、新實の様子は全く変わらない。むしろますます夕波への愛撫は激しくなってゆく。

「あんっ・・・・・いい加減に・・・して、おくれよぉ!」

 とうとう夕波が降参し、涙を浮かべながら新實を睨みつける。だが、欲情に蕩けた目で睨まれてもまるで説得力がない。新實は蜜壺に差し込む指を二本から三本へと増やし、さらに激しく責め立てる。そしてその責めにとうとう夕波は観念したのか、先ほどとは打って変わって媚を含んだ口調で新實を誘った。

「お願いだからぁ・・・・・・こいつをわっちにおくれよぉ」

 盛りのついた雌猫のような、甘ったるい掠れ声が新實の耳をくすぐる。その声に満足したのは新實はようやく夕波を責める手を止めた。

「堪え性のない・・・・・・それとも、こっちのほうが耐えられる、ってわけか?」

 新實は夕波の体の下から抜け出すと、夕波を四つん這いにし、腰を高々と上げさせる。そして両足を広げさせると再び脚の間に手を差し込んだ。

「本気で気を遣っているようだが・・・・・・貪欲だな、おまえのここは」

 新實は触れるか触れないかの微妙な加減で肉襞の裂け目をそろり、と撫で上げる。

「ふぁっ・・・・・・ちょっと、まだ焦らすのかい!」

 四つん這いになった夕波はその体制のままじろり、と新實を睨みつける。

「いちいち五月蝿い女だな。そんなに欲しけりゃくれてやるよ」

 新實はそう告げるなり夕波の尻を鷲掴みにし、己の逸物を一気に蜜壺に押し込んだ。

「おおぅ!」

 獣のような雄叫びを上げると夕波は自ら腰をふる。よっぽど欲求不満が溜まっていたのだろう、蜜壺そのものも新實の逸物を締め付け、離そうとしない。

「本当に貪欲だな、お前は」

 新實はニヤリと笑い、背後から夕波の乳房を鷲掴みにする。そしてその瞬間、まるで夕波を引き裂くかの如く激しく逸物を突き上げたのだ。

「ああっ!そう、それよぉ!」

 髪を振り乱し、涎を垂れ流しながら夕波は狂喜する。犬のように尻を振るその姿はどこまでも浅ましく、この上なく淫らだ。

「この淫売が、恥を知れ!恥を!」

 夕波を蔑む新實の言葉も、今の夕波には甘い睦言にしか聞こえない。まさに獣の如き忌まわしい情事はいつ果てること無く続いていった。



 二人の情事が終わり一息ついた頃にはすっかり日は沈み、辺りはすっかり暗くなっていた。

「おい、この辺に夜鷹そばか煮売屋はねぇのか?」

 腹が減ったのか、新實が着物を身に付けながら夕波に尋ねる。

「ん・・・すぐ傍に夜鷹そばの屋台が来てるはずだよ」

 新實とは対照的に一糸まとわぬ姿でうつ伏せたまま、夕波は生返事をした。先程の情事で精魂尽き果てたらしい。ぐったりと煎餅布団に横たわったきり起き上がろうともしなかった。

「全くハメを外して貪るからそんな事になるんだろうが。おめぇの分も買ってきてやるからしばらく待ってろ。

 そう言うと、新實は外に出て行く。そんな後ろ姿を目で追いかけながら、夕波はぼんやりと新實のことを考え続けていた。

(しかし、不思議な男だよねぇ)

 ふらりと何処かに行ってしまったかと思うと、再び夕波のもとに戻ってくる。しかも鮫ヶ橋では使い切れないほどの金子を預け、さらに持ってくると言うではないか。

(あの男が人を信用するとも思えないし・・・・・・似たもの同士と思われているのか)

 そんな事をぼんやり考えている内に、新實がそばが入った丼を二つ持ち帰ってきた。

「ほら、蕎麦でも腹に入れておかねぇとぶっ倒れるぞ」

「・・・・・・既にぶっ倒れているよ、あんたのせいでさ」

 ふん、と鼻を鳴らしつつ、夕波は上体を起こした。

「それにしても妙に気が利くじゃないか。しかも金まであんなに持ち込んでさ・・・・・・あんた、なんか矢場い事、してるんじゃないだろうね?」

 何気なく夕波が呟いたその瞬間、新實は目を細める。

「ほぉ・・・・・・矢場いっていうと、例えば?」

 新實の質問に夕波は珍しく真顔になり、自分の考えを述べた。

「例えば、、て云われてもねぇ・・・・・・大店に押し入り強盗とか、人さらいとかしか思いつかないし」

 その瞬間、新實は思わず吹き出した。

「やっぱりとんでもねぇあばずれでも、おなごはおなごだな!」

 あまりに愉快そうに笑う新實に、夕波はふくれっ面を露わにする。

「何さ、馬鹿にしくさって!押し入り強盗だって捕まれば打首獄門なんだからね!」

「ははは!確かにそりゃそうだ!だがよ・・・・・・世の中にゃもっとどでかいことがあるんだぜ」

 新實は機嫌良さそうに高笑いをすると、夕波の身体を引き寄せた。そしてとんでもない事を囁いたのである。

「今度の仕事はちまちました押し入り強盗なんかじゃねぇ・・・・・・抜荷だ。しかも幾つもの藩が絡んでいる、とてつもない話だ」

 複数の藩が絡む抜荷――――――あまりに荒唐無稽なその話に、夕波は顔をひきつらせながらも笑みを浮かべる。

「あ、あんた・・・・・・じ、冗談も大概に・・・・・・」

 夕波は必死に否定しようとするが、新實は首を横に振った。

「残念だが冗談じゃねぇ。でなけりゃ一度に十両なんて金、おめぇに渡すはずねぇだろう」

 新實は来た時に夕波に渡した合切袋を顎で指し示す。それを聞いた瞬間、夕波の顔が怒りに染まった。

「じ、十両だって!そ、それじゃあ・・・・・・わっちをグルにするつもりかい!」

 十両――――――それは盗めば死罪になる金である。勿論知らずに受け取っていても罪は同じだ。それに気がついた夕波を、新實は愉快そうに眺める。

「勿論、おめぇも同罪だ。俺がそんなヘマをするかよ。奉行所に俺を売ろうったってこれで出来なくなったろう?尤も・・・・・・」

 新實は夕波の身体に腕を回しながら頬をすり寄せた。

「俺の女で居続ける間は金には不自由させねぇ。何だったら鮫ヶ橋を抜け出てどこか好きな場所に家でも用意してやろうか?」

 その声は欲情に掠れており、手は夕波の腰のあたりを撫でさする。金、家、そして情事――――――夕波の欲しいは何でもくれてやると新實は囁く。その言葉に、夕波の身体は反応し、先ほどの情事で出尽くしたと思っていた蜜が再び秘所を濡らしはじめた。

「妾宅かぁ・・・・・・あんたがただの人斬り盗人だったら考えたけどねぇ」

 夕波は新實の顎に舌を這わせながら、その細い腕を新實の太い首にかける。

「ここには八丁堀さえ入ってこれない・・・・・・抜荷の片棒を担いでいる情夫がいる女の住処としちゃここほど安全な場所は無いんでね、遠慮させてもらうよ」

「ふん・・・・・・やっぱり俺が見込んだ女だ。馬鹿じゃねぇ」

 満足気な笑みを浮かべつつ、新實は再び夕波の乳房を揉みしだき始めた。



UP DATE 2013.8.14

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相変わらず品性の欠片もない新實&夕波のカップルですが、それだけにどんなにお金を稼いでも鮫ヶ橋がお似合いだったりします(^_^;)多分、死ぬまでここを根城にするんでしょう。もしかしたらさらに奥深く、絶対に奉行所の同心が入り込めないような場所に住み替えるかもしれませんが、この町から出ることはまず無いと思われます。

そして新實が持ってきた大金の出処はどうやら『抜荷』のようです。丁度天保の大飢饉真っ最中のこの時期、大名による抜荷は増加しております。領民からは年貢が取れない、しかしお金が必要となったら処罰を受けると判っていても手を染めないわけにはいかないでしょう。時代劇だと抜荷をやる人物=悪人と捉えられがちですが、むしろ飢饉にもかかわらず領民から年貢を絞り取る大名の方が悪人に思えてしまう・・・(-_-;)
しかし、それに関わる商人やその他群がる者達まで善人とは限りません。大概『悪事をしている』という良心に漬け込んでより多くの金をせびり取るのが蟻ん子のように群がる奴らの常套ですから・・・勿論新實もその一人です。

次回『紅柊』更新予定は8/21、ちょこっと抜荷関係の話もかければいいのですが、結局新實と夕波の絡みが中心となりそうです(^_^;)

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