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「雑  記」
拍手お返事&おまけ

拍手お返事&4/1限定ジャンル替え(笑)

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エイプリルフールですので一日限定でジャンル替え(笑)。元々私の駄文書き人生はSF小説から始まっておりますので原点に立ち返るのも悪くはないかと。構想10分という思いつきで書いたのでこの程度です(苦笑)。お返事は追記に入れておきますね~v




 西暦2510年、火星航路は好景気に沸いていた。21世紀初頭から徐々に活動を弱め始めた太陽は26世紀になるとさらにその勢いを弱め、地球の温度を維持するために温室効果ガス産業が盛んになっているのである。CO2自体は簡単に作れるものだが、火星には大気として、そして極部にはドライアイスの形で工業生産しなくても簡単に採取できる。それに目を付けた零細企業が火星の大気を採取、地球へと運び込んでいるというわけである。さらには火星での生活に必要な酸素だけ取り出した残りのC・・・・つまり本来廃棄される炭素も地球に運び込めばCO2ほどでなくても多少の金になる。そんな零細企業の運搬会社の社員、アレクセイは操縦桿を握りしめながら毒づいていた。

「くそっ・・・・新人お天気お姉さんの天気予報なんて聞くもんじゃねぇ!なんだよ、この太陽風はっ!百年に一度の大嵐ぐらい予報しやがれ、このくそったれ!」

 アレクセイはひどい磁気嵐の中、必死に舵を切りながらぼやき続けた。太陽の勢力が弱くなり始めてから太陽風の吹く回数は極端に減少していたし、その回数も年に数回ほどになっていた。それなのに大仕事を貰ったその日にこの磁気嵐である。嘆きたくなるのも無理はない。だがそんなアレクセイの苛立ちに水を差す者がこの宇宙船には同乗していた。

「何故自分の判断力のなさを人の所為にするのでしょう、人間は。そもそも安くない情報料を払って天気予報を買っているのに・・・・・馬鹿としか言いようがありません。」

 アイスブルーの短い髪に紫水晶の瞳を持ったスレンダーな美女が感情のない、機械的な声でアレクセイの失態を指摘する。

「てめっ、カッツェ!HOPC(ハイスペック・オーガニック・パーソナル・コンピュータ)の癖して生意気なっ!」

 アレクセイの怒りは横で演算処理をしている相棒に向けられた。宇宙船の高機能化に伴って人間では処理できない演算をし、長旅をしなければならない宇宙飛行心の精神安定のために生み出されたHOPCは、現在医療、介護、保育などむしろ人間性が求められる分野にその活動を広げていた。カッツェは宇宙船操縦用のHOPCとして生み出されたが、ちっとも精神的な癒し効果をもたらしていない。せめてもう少し乳を大きくして貰うんだったとアレクセイは後悔していた。

「馬鹿を馬鹿と言って何が悪いのですか?自覚のない大馬鹿ほど質の悪い者はありません。いくら故障が少ないHOPCだって壊れるんですから。まったくろくでもないマスターを持つと・・・・・。」

 そんなアレクセイの心の中を知ってか知らずか、カッツェはさらに毒を吐く。

「出来損ないの廃棄寸前HOPCの癖して言いたいことを言ってくれるじゃねぇか!俺が拾ってやらなきゃ今頃スクラップだぞ!」

 アレクセイは握っていた操縦桿を離し、ばん!とカッツェの座っている椅子を蹴り飛ばす。しかしそれくらいで動揺するカッツェではない。

「私がスクラップになりそうだったのはドクターが精密に作りすぎて本物の『感情』を芽生えさせてしまったからです。出来が悪いからじゃありませんので。それにマスターが私を拾ったのは格安だったからでしょう?本当に甲斐性がないんだから。」

 HOPCには制作に辺り厳しい基準というものが設けられている。その一つが感情であった。人間に対してプログラミングされた表情を表現させる以外、怒りや恨みなど人間に危害を加えかねない感情を持たせることは太陽系法で禁じられている。しかし、カッツェは精密に作りすぎた故に『感情』を持つに至ってしまった。本来なら法律違反で廃棄されるところをHOPCが買えずに困っていたアレクセイがカッツェの産みの親、Dr.チャン・春黎に譲ってくれと頼み込んだのである。

「うるせぇ・・・・・うわっ!」

 今まで以上に激しい太陽風が宇宙船に吹き付け、旧式の船はそれに耐えられず煽られてしまう。だがそれでもかろうじて航路を外れずに済んでいるのは操縦士・アレクセイの操縦技術とDr春黎の最高傑作と言われている宇宙船操縦用HOPC、カッツェの情報処理能力のおかげだろう。旧式宇宙船自体の情報処理能力だけではあっという間に航路を外れ宇宙の藻屑となってしまう。

「マスター、今度からちゃんとウェザー・インフォメーションの情報を参照して下さい。磁気嵐くらいならともかく、重力地震なんかが起きた日には私の演算能力だけじゃ足りません。」

 冷酷に言い放つカッツェにアレクセイはむっとする。

「うるせぇ!だったCPUの性能を良くしてらメモリー増やせばいいだろう、メモリーを!その貧乳はあとでメモリーを増設するためのものだろうが!」

「いいえ。ドクターのHOPCが貧乳なのはドクター自身がスレンダーだからです。本人は『小さな記憶装置に大量の情報を詰め込める。』と豪語しておりますが。」

 口の悪いHOPCにかかっては産みの親も形無しである。まだまだ激しさを増す磁気嵐の中、アレクセイは神と貧乳博士に毒づきながら船を進めるのだった。


UP DATE 2010.04.01






☆U様
魚龍爵馬の閉鎖にねぎらいのお言葉ありがとうございます(^^)。思えばUさんとのお付き合いもあの頃からですからねぇ。そう考えると長いものです(しみじみ・・・・・。)。私自身はやりきった感があってあまり名残惜しさはないのですが、むしろ支えて下さった皆様の方にあるみたいで本当に感謝ですv
これからは風の大御所様達や若手に頑張って貰って私はしっかり隠居を決め込みたいと思います(二次は原作が偉大すぎてオリジナルとは違った意味で大変ですからねぇ・・・・・原作のイメージを崩さず、しかも自分の色を出している二次創作サイト様を尊敬しますv)

そして新作拍手文にも感想ありがとうございますvゴメンナサイね、よりによって裏行きぎりぎりの作品に感想を書いて頂いてしまって(かなり反省・爆)
個人的なイメージなのですがやはりUさん同様私も現代物よりも第二次世界大戦以前を舞台にしたBLものの方が背徳感というか色気を感じてしまいます。
『田之助の描写も艶っぽくてずるい』ですか(笑)。本物はこれよりももっと色っぽかったみたいですよ~。美貌に奢ることなく演技力が問われる悪婆役にこだわり、手足を失っても演技にはまったく遜色を見せなかったらしいですからねぇ。しかもライブで(ここがスゴイと思います。)
書くとなると間違いなく別館になりますが(両刀遣いだったそうなので・・・・・ねぇ)、舞台が幕末~明治でもありますので是非この二人を主人公にもう少し長い話を書いてみたいと思います。
お忙しい中コメントありがとうございますね~v
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