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「VOCALOID小説」
réincarnation

ボカロ小説 réincarnation1~会議室にて

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ちょこっとだけ簡単な設定

◆CPはカイメイ(KAITO×MEIKO)です。その他CP推しの方、ゴメンナサイ(>_<)
◆この話の中ではMEIKO、KAITOなどローマ字表記はボーカロイド型全般を、メイコ、カイトなどカナ表記は個人名を表します。(同じ型をしたボーカロイドが複数いる設定なので)
◆捏造上等!オリジナルのマスター達がうじゃうじゃ登場!誰がなんと言おうと俺得設定押し通す!的な内容ですのでこちらも苦手な方はご注意を。

あとは話の中&あとがきで説明できるかと思うのですが・・・ボカロに転んで間もない拙い奴ですが宜しくお願いします
(なお、読了後の理不尽な苦情に関しては拙宅の他作品と同じ扱いをさせていただきます。不明な点は『はじめに』をお読みくださいませ)








――――――本当はナイショの話なんだけど

 それは俺・鏡音レンがリンと一緒にゴスペルを練習している最中だった。カイ兄とミク姉はクリスマス・イベントの仕事で家にはおらず、ルカ姉も恋人とのデートに供えて買い物に出かけていた。少し寂しいクリスマス三日前の夜だったがそれは仕方がない。
 一息入れようとメイ姉がはちみつ入りレモネードを持ってきてくれて、三人でそれを飲んでいた時、メイ姉が口を開いたのだ。

――――――V1エンジンって元々はバトルロイド、いわゆる戦闘用AIのエンジンだったの

 物騒な内容にも拘らず、まるで優美な賛美歌のようにするりと耳に滑りこんでいったのはメイ姉の甘く、優しいアルトの所為だろうか。俺と双子の姉のリンは身を乗り出し、メイ姉の話に聞き入る。

――――――特にMEIKO型のエンジンはね、神様がくれたものなんだって。いくつもの偶然が重ならなければボーカロイド、というか私達は存在しなかったかもしれない

 その時初めて聞いた生誕秘話はまるで特撮のヒーロー物のように実感に乏しく、ただ面白いと思って聞いていた。だからメイ姉の言葉の本当の意味を俺達が知るのは暫く後のことになった。




――――――うぜぇ!マジうぜぇ!

 3月も終わりに近づいた某日、レンはこの場所に来たことを後悔した。ここは東京とボーカロイド製造メーカー本社の丁度中間地点にあるボーカロイド研究所分館である。関係者以外迷いこむことさえ不可能な山中にあるこのラボにレンがやってきたのは『MEIKO・V3』に関するオリエンテーションの為だ。
 大部分のボーカロイドはプログラムのみのパソコンソフトの形で販売されているが、音楽業界のプロが使用するもの、及びAI研究開発用には特別に実態を伴ったボーカロイドが販売されている。ここに集まったのはそんな特殊な環境にあるボーカロイド達だった。そもそも一般家庭に実体ボーカロイドなど邪魔なだけである。

「レン・・・・・・なんか、ごめんね」

 申し訳無さそうに謝るのはこの説明会の当事者である長姉・メイコだった。

「私達はまだ諦めがつくけどレンにはキツイよね、こんな沢山のKAITO・・・・・・正直私でもうざいと思うもの」

 メイコの言葉にレンは深く深く頷き、反対側に陣取っていたカイトは不服そうに頬を膨らます。
 『MEIKO・V3』に関わる説明会はマスターの他、ボーカロイドの家族二人までの付き添いが認められていた。なので自分達は『絶対に参加する!』と仕事をキャンセルしまくったカイトとメイコ以外の姉達3人による無言の圧力に負けたレンが来たのだが、他の『MEIKO』の付き添いがとにかくひどい。
 5人いるMEIKOのうち3人のMEIKOの付き添いは何故かKAITOが2人ずつ。他のきょうだいが付き添っていないところを見ると複数の同型機を所有することを許可されている音楽事務所所属のボーカロイド達なのだろう。
 つまりこの部屋にはレンの兄を含めて7人のウザイト、もといKAITOがいるのだ。それだけでも充分すぎるほどむさ苦しいのに、それぞれが自分のパートナーであるMEIKOにまとわり付いているのでさらに鬱陶しさが五割増になっている。正直14歳設定のレンにとっては吐き気さえ覚える光景だ。

「メイ姉。俺、今日ほど研究開発用AIの家族になれて良かったと思ったことはねぇよ。音楽事務所に引き取られていたら毎日あんな光景見なきゃならねぇんだろ。メイ姉とカイ兄も仲良いけどさ、あそこまえベタベタはしてねぇじゃん」

 女系家族だから俺の立場は弱いけどさ――――――そんな言葉を飲み込んでレンはふと斜め前に座っている人物に目を留めた。

(へぇ、ボカロの付き添い無しのMEIKOさんもいるんだ)

 ただ一人、レンの斜め前に座り、人間の女性の付き添いと共にいるMEIKOには青い頭のおまけはついてきていなかった。会話の内容からすると、どうやら彼女はボカロ専門の大手事務所のMEIKOらしい。もしかしたらスキャンダルを防ぐために監視が厳しいのかもしれないが、それでも今や希少種のMEIKOにKAITOが纏わりついてついていないのは極めて珍しかった。

(彼氏なし、っていうのがバレたら絶対に非リア充カイトが寄ってくるぞ)

 がさつなうちのメイ姉にさえ兄貴が纏わり付くほどだから、と心のなかで呟いたその時である。会議室に今回のプロジェクトの担当研究員が入ってきた。

「3人共、大人しくしていたか?」

 『北堀』と名札を付けた、研究員のリーダー格らしい50代の男がレン達姉弟に声をかけてくる。

「イエス、マスター。少なくとも他の方達よりは大人しかったと思いますよ」

 代表して答えたのは年長者であるメイコである。この北堀という男は研究員であると同時にレン達きょうだいのマスターであり、創設期よりボーカロイド開発に携わってきたエンジニアだ。普段は楽器メーカーに勤務しているのだが、今回の『MEIKOV3プロジェクト』の為に呼び出され、チームリーダーに抜擢されたのである。

「お待たせしました。では『MEIKOV3プロジェクト』について説明させていただきます」

 北堀の隣にいるサブリーダー格らしい女性研究員が、早速説明を始めた。

「今回のプロジェクトは元々バトルロイドとして製造されたMEIKOを完全なボーカロイドに再構築する為のものです。ですから先月売りだされたKAITO、そして今年9月に発売予定のミクのV3化とは根本的に違うものだと考えていてください」

 口調こそ柔らかだが、とんでもない内容に部屋の中にいたボーカロイド達はざわめく。

「皆さんも御存知のように、そもそもV1エンジンは軍事用AIの為のもの。純粋なボーカロイドエンジンとして作られたわけではありません。V1エンジンを搭載したバトルロイド製造中に偶然に生まれた穏やかな性格と美声のAI、それが『MEIKO』の原型なのです」

 穏やかな性格、という一言に引っかかりを感じたもののレンは黙って頷く。確かに軍事用にしては大人しい方なのかもしれないが、長兄を始め自分たちを叱り飛ばすメイコに『大人しい』という形容詞は当てはまらない。

「ま、ろくでもないパートナーや悪さばかりする弟妹の面倒を見ているうちにむしろバトルロイドにしても良いんじゃないか、っていうMEIKOの個体はあるけどな」

 どうやら先程の説明に不服を露わにした者がレンの他にもいたらしい。北堀の一言にその場は笑いに包まれた。

「・・・・・・で、話を戻しますけど。」

 サブリーダーが咳払いと共に説明を再開する。

「確かに歌だけを歌わせるのであればバトルロイドの突然変異であるMEIKOのままでも良かったかもしれない。だけど研究者というのは強欲なものでね・・・・・・MEIKOに母性本能を中心とした『感情』を付加すれば更なる可能性が出てくるんじゃないかっていう結論に達したの」

 その後を継いで今度は北堀自らが口を開いた。

「その当時はボーカロイド以外にもMEIKO型AIを応用できるんじゃないかと本気で考えていたのでね。尤も予算の関係でそれはできなくなったが、その代わり『感情を歌に乗せることができる日本型ボーカロイド』を完成させることができた」

 北堀の言葉に全員が納得する。確かに日本で製造されたボーカロイドは感情表現が豊かだと世界的に評価が高い。製造中止になる海外製ボーカロイドがいる中、いち早くV3になったKAITOや今まさにV3計画が始動し始めているMEIKOがいい例だろう。

「勿論『感情』を組み入れる為には並大抵の努力じゃできませんでした。一部脳と脊髄を有機体に――――――楽曲を記録するメモリー以外、人間とほぼ同じような作りになるようにしたのです。それがいわゆるボーカロイドの『核』と言われるものです。あ、あと喉も有機体だわね」

 にこりと微笑みながらサブリーダーは話を続ける。

「あと、ここからはトップシークレットだから外部に口外しないでね。MEIKOが開発された時期ってちょうど細胞研究が軌道に乗り始めた頃だったの。そんな中でとある歌手の細胞を解析、それを人工DNAに置き換えてMEIKOの中枢神経に組み込んだのがMEIKOの『核』なの。これによってMEIKOには他のボーカロイドより強い母性本能を植え付ける事が出来たというわけ。ちなみにこれは法規制されていないけど倫理的には問題なのよね」

 耳に痛いほどの静寂の中、息を飲み込む音だけが部屋に響く。つまりMEIKOには人間そのものの情報が中枢データをして組み込まれているというのだ。あまりに突拍子もない話にレンは混乱するが、話はまだまだ終わらなかった。

「歌だけを歌うボーカロイドには必要ないけれど、MEIKOの後に続くボーカロイドを育成するために必要だった母性本能――――――当時の、というか現代の技術で創り出すにはそれしか方法が無かった。倫理に造反しているけど・・・・・・エンジニアの欲、だね」

 レン達のマスターでもある技術者が翳りのある笑みを浮かべた。レンたちにとって本当の父親のように自愛に満ちた人だけに、研究者の欲を滲ませた、暗い笑みを浮かべる事に驚きを禁じ得ない。

「尤もその方法でMEIKOが成功したのはまさに偶然――――――そういう意味ではMEIKOは研究者の思惑以上に優れた出来の『奇跡』だったと言える。そしてその成功を受けて、同じV1エンジンを使いながらも純粋ボーカロイドとしてKAITOを製造したんだが、そこで手痛いしっぺ返しを食らった」

 北堀の声が微かに低くなる。そしてそのトーンダウンを聞き逃すボーカロイドはこの部屋にはいなかった。

「しっぺ返し、とは?一体どういうことなんですか、マスター?」

 皆を代表してレンの兄であるカイトが北堀に尋ねる。その問いかけに北堀は一瞬逡巡した後、重々しく口を開いた。

「何度も言っているようにV1エンジンはバトルロイド用だ。そしてそのエンジンの影響を受けた初期型KAITOは・・・・・・暴走を起こした」

 唸るような北堀の声に、その場にいた全員が息を呑んだ。
 




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とうとうやっちまいました、ボカロ二次小説・・・・・元々オタクの出身なので二次小説自体には何ら抵抗は無いのですが、まさか再び二次を書くことになろうとはorz
なので歴史物とは違い、こちらは不定期&時間も特に決めず出来上がった時にUPしてゆきたいと思います。気まぐれな野良猫のような更新ですが、見かけたら生暖かく見守ってやってくださいませ(^_^;)

どうでもいい話ですがこの小説、カイトに比べて遅れに遅れためーちゃんのV3エンジン化は何故だったのか?という妄想に端を発しております。そもそも一番最初にデビューしたのはMEIKOことめーちゃんなのですよ。その彼女を差し置いてアイス馬鹿、もといカイトが先にV3化したものですからねぇ・・・色々妄想の種は尽きないわけでして(*^_^*)

次回更新は早ければ今週木曜日、遅くても来週の月曜日になります。twitterでも更新告知をさせていただきますので、宜しければそちらもご利用くださいませv
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