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「VOCALOID小説」
枝ノ護人

ボカロ小説・枝ノ護人~朱雀の章・4

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(注・こちらの話はぬるいですけどR-18になります。こちらを読まなくても第三話→第五話への話はわかると思いますので性描写が苦手な方はご遠慮下さいませ)


 そこは黄泉比良坂への入り口であり、また人の世への抜け出す出口である。鳴鼓が迷い込み、海斗と出会った深い森の社、そこに海斗は現れた。
 妖かしとはいえむしろ神に近い存在の海斗は時折自分が支配する領域を見まわり、異常がないか確認する。鳴鼓と出会った時もそんな見回りの折だった。本来人間が来るような場所ではない深い森の中でも、鳴鼓のようにごくたまに迷い込む人間がいる。勿論そんな人間を放っておいても海斗が責められる筋合いはないし、むしろ人間との交わりを持ってしまう方が問題なのだが、それでも心根が優しい海斗は哀れな人間を放っておくことはできなかった。

 そんな風に幾人もの人間を救ってきた海斗だったが、鳴鼓に対するような想いを抱いたことは無かった。甘く、切なく、苦しくて――――――手中の珠の如く大事にしたいと思うと同時にどんな手を使ってでも自分の傍に繋ぎ止めたいとも思う。
 今まで経験したことのない胸の苦しみ――――――これが恋というものなのだろうかと海斗は痛感するが、この苦しみに抗う術を海斗は知らなかった。そんな切ない想いを抱えつつ社の周囲を見回した海斗は、予め予想していた小さな『異変』を確認する。

「ああ、やっぱり破れてたか・・・・・・」

 社から出て天空を見上げた海斗は思わず呟いた。人間の目には見えないが、そこには海斗によって蜘蛛の糸が張り巡らされている。万が一人間が崖から飛び降りても命だけは救えるようにと予め掛けておいたものだ。
 しかし以前かけ直した時から既に二百年余り、さすがに糸も劣化していたらしく、ものの見事に破れている。

「きちんと張り巡らしていたら鳴鼓はあんな大怪我をすることもなかっただろうに」

 そう言いながら海斗は指先から青銀色の繊細な糸を繰り出し、破れてしまった蜘蛛の巣をかけ直し始める。これで人間が落ちてきても怪我はしないだろう。
 だが、蜘蛛の巣がしっかりと掛かっていたからといって果たして鳴鼓は無事だったのだろうか――――――確かに落下による怪我は無かっただろうが、蜘蛛の巣にかかった美しい獲物を前に、海斗自身の蜘蛛の精としての本性が露わになり、鳴鼓を襲っていたかもしれない。

(きっと妖糸に絡め取られた鳴鼓は美しいに違いない)

 新たな糸をかけつつ、海斗は静かに瞼を閉じた。



――――――たすけて!

 白昼夢の中、助けを呼ぶ甲高い声に海斗は気がつき、そちらの方を向いた。するとそこには白い水干に緋袴を履いた人間が海斗の蜘蛛の巣にかかっている。水干という姿から一瞬男性かと思ったが、その声は明らかに女性のものだ。
 その姿に興味をそそられた海斗が巣に近づくと、それは若い女性――――――鳴鼓だった。仕事用の舞姿なのだろうか、出会った時の粗末な褐衣とは違う凛とした白拍子姿に、海斗思わずは口の端に笑みを浮かべる。

「どうしたの、鳴鼓?」

 今すぐにでも襲いかかりたい衝動を必死に押さえつけ、海斗は鳴鼓に声をかける。すると鳴鼓は助けを求めるように必死に海斗に訴えかけてきた。

「海斗、助けて。糸に絡まって動けないの」

 そう言いながらも鳴鼓は蜘蛛の巣の上でもがくが、糸はさらに強く鳴鼓の身体に絡まり、縛り付けてゆく。蜘蛛の糸によって括られた鳴鼓の肢体は海斗が思っていたよりも豊満らしい。胸や腰のあたりがやけに強調され、糸が強く絡みつけば絡みつくほどその柔らかさが強調されるようである。

「そう、それは大変だね・・・・・・だけどこの巣にかかってしまったのは君の不注意だよね?」

 海斗は声に欲情を滲ませつつ鳴鼓の白い頬に指を這わせた。人間のものとは明らかに違うそのひんやりとした感触に、鳴鼓はぴくり、と身体を強張らせる。

「この蜘蛛の巣は最後の砦――――――ここに堕ちる前にいくらでも障害や警告はあった筈なのに君はここに堕ちてしまった。その覚悟はしてもらわないとね」

 甘い声で微かな希望さえ粉々に打ち砕く一言を発すると、海斗は何かを言いかけた鳴鼓の唇に己の唇を深く重ねた。驚きに唇を引き結ぼうとする鳴鼓の努力を嘲笑うかのように海斗の冷たく長い舌はするりと鳴鼓の唇を割り、鳴鼓の温かく柔らかな舌を絡めとる。

「んんっ」

 冷たい舌に囚われた瞬間、鳴鼓は呻き声を上げてしまったが、それと同時に海斗の口から冷たい舌を伝って何かが流れこんできた。唾液とは明らかに違う、果実のような芳醇な甘さの液体を鳴鼓は反射的に飲み下してしまう。

(え・・・・・?)

 甘い液体を飲み込んでしまったその瞬間、鳴鼓の喉元から胸、そして腹へと熱い痺れが広がったのだ。そして瞬く間に全身に広がっていった痺れによって鳴鼓は抵抗の術を奪われる。

「怖がることはないよ、鳴鼓。これは俺を受け入れてもらうための小さな準備だから」

 鳴鼓の唇から己の舌を引きぬきつつ、海斗は艶然と微笑む。そして今度は鳴鼓の耳朶に愛撫を仕掛け始めた。海斗の尖った歯が鳴鼓の耳朶を甘噛みすると、そこからさらに痺れが襲ってくる。それだけではない。海斗の長く冷たい舌がちろちろと耳の奥をくすぐると、また違った甘い痺れが鳴鼓の身体の芯を走り抜けてゆくのだ。

「な・・・・・・に、これ!」

 今まで経験したことのない身体の痺れに怯えつつ、鳴鼓はそれを気取られぬよう気丈に海斗を睨みつけた。そしてもつれる舌で海斗に自分の身体の痺れの原因を問い質す。そんな鳴鼓を愛おしげに見つめながら、海斗は小さな耳朶に息を吹きかけるように囁いた。

「簡単に言ってしまえば毒のようなもの・・・・・・それに慣れてもらう為に少しづつ君の身体に注ぎ込んでいるんだ。でないと、いきなり俺の精を受けたらその毒気で君は死んでしまうからね」

 その言葉自体がまるで毒のように心を蝕んでいく――――――人間としてこれ以上踏み込んではならないところまで堕ちてしまったことを鳴鼓はようやく自覚する。そんな鳴鼓の心情を知ってか知らずか海斗は再び鳴鼓の唇を奪い、さらに甘い毒を流し込んだ。
 抵抗しようにも既に全身に痺れが回っている身では何もできない。ただ流されるまま鳴鼓は甘い毒を飲み込んでしまう。だが、痺れはひどくならず、それ以上に身体を襲ったのは欲情を伴った火照りだった。それに気がついた鳴鼓はあからさまに動揺する。

「な・・・・・飲ま、せた・・・・・・の?」

 普通の人間より色の薄い大きな目を見開き、鳴鼓は海斗に尋ねた。しかしその瞳は欲情に潤み始め、声にも甘さが含まれ始めていることに鳴鼓本人はまだ気がついていない。己の毒によって徐々に欲情の色を濃くしていく鳴鼓に満足を覚えつつ、海斗は先程とは反対側の耳朶に唇を寄せた。

「さっきと同じものさ。だけど量が多くなればなるほど毒の主を欲するんだ。そろそろ俺が欲しくなっているんじゃない?」

 耳許で露骨な誘い文句を囁かれ、鳴鼓は首筋まで真っ赤にする。それでもここで堕ちてはなるものかと首を横に振る。

「強情だね、君は。だけどそれ位じゃないと面白くない」

 ニヤリと笑うと、海斗は五本の爪で一気に鳴鼓の水干を引き裂いた。鳴鼓が身につけていた水干は絡まった糸ごとボロボロに裂け、鳴鼓の白い肌が露わになる。

「やあっ!」

 露わになってしまった自分の肌に鳴鼓は驚き、海斗から逃れようと暴れだしたが、それを海斗は新たな糸を吐き出して封じこめてしまった。細い蜘蛛の糸は鳴鼓の乳房や腹、太腿から淡いひこばえに縁取られた秘所にまで執拗に絡みつき、鳴鼓の均整の取れた肢体を括りだす。その締め付けが少々強すぎたのか鳴鼓は小さく呻くが、海斗は糸を緩めてやろうとはせず、白く輝く肌に指を伸ばした。

「暴れないほうがいいよ。でないとますます糸が身体に食い込んで痛い思いをする。それとも、そっちのほうが好み?」

 歌うように囁くと、海斗は蜘蛛の糸によって括りだされた乳房を指先でそっと撫で上げる。

「あっ」

 小さな、しかし明らかに欲情の色に染まった声が鳴鼓の唇から零れ落ち、豊かすぎるほど大きな乳房がふるり、と震えた。与えられた僅かな快楽をさらに欲しようと鳴鼓は無意識に身体を揺するが、海斗の指はするりと離れてしまう。

「か・・・・・・い、と?」

 逃げてしまった快感に鳴鼓は恨めしげな表情を浮かべるが、海斗は淫蕩な笑みを浮かべたままかなり重量のある鳴鼓の乳房を下から掬い上げた。

「いい声だね、鳴鼓。大丈夫、暴れたりしなければこれ以上怖い思いはさせないし、もっと気持ちよくしてあげる。だから安心して身を委ねてご覧、鳴鼓」

 そう言いながら海斗は鳴鼓の乳房に軽く歯を立てる。鋭い牙が鳴鼓の豊満な乳房に刺さると、さらに毒が注ぎ込まれたのか新たな快感が鳴鼓の体に広がってゆく。

「ふあっ・・・・・・なん、で・・・・・」

 指で触れられるだけの愛撫など比べようもないほどの強い刺激に、鳴鼓は声にならない声を上げて海斗に縋る。

「さっきと同じだよ。俺の毒に君の身体を慣らしている。さっきより痺れは無くなっているはずだよ」

 海斗のその言葉に、鳴鼓は自分の身体からかなり痺れが薄れているのに気が付いた。その代わり支配しているのは身体の芯から溶けてしまいそうな快感だ。海斗のひと撫で、そしてひと噛みによって鳴鼓はさらに昂ってゆく。

「とけ・・・・・ちゃうっ」

 妖糸に括られているにも拘らず、鳴鼓は海斗の愛撫に髪を振り乱し、のたうち回る。その激しい反応に海斗はからかい半分鳴鼓を窘めた。

「ちょっと毒が効きすぎているのかな?そんなに急いたら身体が持たないよ。これからじっくり可愛がってあげるから、安心して」

 そう言いながら海斗は反対側の乳房の頂を軽く噛んだ。その刹那、鳴鼓は頤を仰け反らせ、甲高い嬌声を上げる。いつの間にか肌に滲んだ玉の汗は甘く香り、海斗を誘う。もし妖糸で括られていなければ、間違いなく鳴鼓は海斗の腕の中に倒れているだろう。

(だいぶ毒にも馴染んできたかな)

 充血し、固く凝った乳首を口の中で転がしながら海斗はほくそ笑む。すでに海斗の毒が回った鳴鼓の身体には、うっすらと妖かし特有の文様が浮かびつつあった。妖怪の毒を注ぎ込まれた人間は死ぬか妖怪になるかどちらかでしか無いが、海斗の神経質なほどの努力が実ったのか、どうやら鳴鼓が死ぬことは無いだろう。

「かい・・・・・・とぉ」

 甘く、海斗の名を呼ぶ鳴鼓の声に満足した海斗はそのまま下半身へ唇を滑らせつつ、秘所に食い込んだ蜘蛛の糸を確認した。それは本来包皮によって隠されているであろう鳴鼓の花芽を括りだしてむき出しにし、濡れそぼる花弁を押し広げ海斗の目に晒している。幾重にも絡まった妖糸は既に鳴鼓から滴った淫蜜に濡れていて、雫をぽたり、ぽたりと落としていた。

「これは人間の男ではできないでしょう?ほら」

 海斗は鳴鼓の脚の間にしゃがみこむと、わざと糸を引っ張り、鳴鼓の花弁にさらに妖糸を食い込ませる。

「ああっ、それ、だめぇ!感じちゃう!」

 妖糸にも鳴鼓を痺れさせ、昂ぶらせる毒が染み込んでいるのだろうか。海斗が軽く引っ張っただけなのに、その場所から全身に耐え切れぬほどの淫らな快楽の波が広がってゆく。人間に耐えられるか否か――――――それほど強い刺激に晒され、溺れながら鳴鼓は海斗を求め、糸に縛られた腕を伸ばそうとする。

「いいよ、鳴鼓。いくらでも感じて。俺の傍にいてくれる限り、好きなだけ気持ちよくしてあげるし、どんな事をしてもいい。水鏡で君の妹達の様子も見せてもあげるから・・・・・・俺に溺れて」

 海斗は鳴鼓の指に己の指を絡めながら、妖糸が食い込み、淫蜜を滴らせながらヒクヒクと蠢く鳴鼓の蜜壺の入り口をぺろり、と舐め上げた。滴り落ちる蜜は甘く、海斗の毒と同じ味を呈している。既に毒は鳴鼓の身体を巡り、鳴鼓自身も妖かしに近い身体になりつつあるようだ。後は『まぐわい』によって仕上げをするだけである。

「もう大丈夫そうだね、鳴鼓。じゃあそろそろいくよ」

 海斗はするり、と衣を脱ぎ捨て全裸になった。すらりとしていながら鍛えぬかれた武士のようなその身体の中心にはそそり勃った逸物が天を仰いている。人間のものより明らかに長く、太さもある逸物を甘い淫蜜が滴る鳴鼓の蜜壺に宛がうと、それで一気に貫く。

「あうっ!」

 腹を貫かれるような強い刺激に一瞬悲鳴を上げた鳴鼓だが、それは瞬く間に艶かしい濡音に飲み込まれ、鼻にかかった嬌声へと変化してゆく。

「かわいい鳴鼓・・・・・・君はずっと俺のものだよ」

 己の逸物をキュウキュウと強く締め付ける刺激に耐えながら、海斗は鳴鼓を抱きしめ愛の言葉を囁いた。



 淫猥な白昼夢を見終わり、海斗は瞼を開ける。美しく貼り直された蜘蛛の巣はキラキラと朝日を弾き微かに青く光る。

「・・・・・・だけど、実際鳴鼓が怪我一つなくこの巣にかかったとしても、そのまま逃してしまうんだろうな」

 変なところで押しが弱いといつも妹の未来に叱られる。だが生まれ持った性格ばかりは如何ともし難い。今の海斗には鳴鼓から離れた場所で見る白昼夢が関の山だ。

「そろそろ帰る、か」

 酔いつぶれた鳴鼓がそろそろ起きる頃だろう。海斗はくるりと踵を返すと、社の奥にある黄泉比良坂の入り口へ体を滑り込ませた。




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たとえ妖怪でもに~さんはヘタレです。やっぱりこれがカイトのデフォでしょう♪
というわけで今回は海斗の妄想&実際はヘタレすぎて妹にツッコミを入れられているという話を書かせていただきました(*^_^*)
ストーリー上読まなくても話は通じるとは思いますが、海斗のドロドロした内面を知っておいてもらうとさらに楽しめるかな~と(^_^;)ヘタレのくせして一度捕まえたら絶対に逃さないっ!という粘着質な内面ですが、見た目だけは爽やかという『枝ノ護人』の海斗、果たして鳴鼓を捕まえ続けることが出来るのでしょうか?

次回更新は6/9、回復してきた鳴鼓を水鏡に案内し、琉華と麟の様子を垣間見せます。
(あわよくば海斗側からの告白まで持って行きたいんですが・・・頑張りますっ!)
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