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「雑  記」
烏のおぼえ書き

烏のおぼえ書き~其の四十八・富山絵

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先週『引札』について取り上げさせて頂きましたが、その中でも一番全国的に配布されたものでは?と思わせるもの、それが富山の薬売りが薬のおまけで配っていた『富山絵』です。一般的には、売薬版画の名称で知られていて、富山絵の他おまけ、絵紙などとも呼ばれていたとか。


そもそも富山の薬売りの始まりは(あくまでも一説)富山藩二代藩主・前田正甫のプロモーションによるもののようです。
資料によると元禄三年、江戸城内で腹痛に苦しんでいた三春藩主・秋田輝季に薬(反魂丹)を与えたところ、それがよく効いたとか。その噂を聞きつけた諸藩が『ぜひうちの藩にも売りに来てくれ!』と前田正甫に申し出て、薬の行商をすることになったんだそうです。
確かに江戸時代じゃ薬の種類もたかが知れていますし、地方になったらさらにそれも少なくなりますからねぇ。かと言って怪しげな人物を国の中に入れたくはないですし・・・そういった意味では販売元がしっかりしている(藩の後ろ盾がある)富山の薬売りはうってつけだったのかもしれません。
因みに前田正甫、なかなかやり手の大名だったらしく全国まわりの薬売りの組織づくりも直接手がけたそうです。どうも日本の政治家というのは経営手腕がないといけないらしい(-_-;)
(政治力のある殿様でも財政建て直しとか地域に豊かさをもたらさないと認めてもらえない、ある意味平和なんだろうなぁ・・・)


そんな風に普通の薬売りよりは有利な立場で販売することができていた筈の富山の薬売りですがそこはやはり商売。より多くの人達に購入してもらおうと、あるサービスを始めます。それが今回のタイトルでもある『富山絵』です。
富山絵は、江戸時代末期から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式の一つで、その始まりについては未詳の部分も多いらしい・・・。ただ、最初は江戸や上方の浮世絵をそのまま配ったのでは?と考察されています。
その後、富山の版元によっ歌川広重などの江戸の浮世絵作品が富山でも刷り始められ、さらに嘉永年間になると、地元の絵師である松浦守美が登場し、数多くの版画作品を描いていったとか。
ただ地元絵師の作品になるとやはり江戸や上方の浮世絵に比べ田舎っぽさは否めなかったようですね(^_^;)それでも楽しみが少ない当時の人々によって重宝がられていたそうです。

 そして明治に時代が変わっても富山売薬は衰えるどころか産業としてますます成長し、それと共に富山絵関係の多くの絵師や版元も明治前半は多忙を極めました。ただそれも明治三十年代半ばまで(>_<)
木版から石版へと印刷技術の転換が進むにつれて富山絵は次第に衰え始めてしまうんです。理由としては、新聞や雑誌などが普及し、情報伝達手段としての役割を果たせなくなった事、また色刷りの印刷物が珍しくなくなったことや、さらに写真の普及によって版画の魅力が失われたことも考えられるそうです。時代の流れとはいえちょっと寂しいですよね(´・ω・`)今ではネットによって世界統一の広告を見ることが出来る時代ですが、だからこそ富山絵のような地方発信の個性的な広告が魅力的に思えます。

次回おぼえ書きは6/10、猪牙舟か屋根船か、ちょっと小粋な船を取り上げたいと思います♪


【参考・引用文献】
道具が証言する江戸の暮らし (小学館文庫)
Wikipedia 富山絵


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