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「VOCALOID小説」
枝ノ護人

ボカロ小説・枝ノ護人~朱雀の章・後朝

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 朝、軽い腕の痺れに海斗が目覚めると、海斗の腕を枕にして一匹の緋色の虎が心地よさそうに寝そべっていた。



 これが人間の世界であれば驚愕の事態なのだろうが、ここは黄泉比良坂の途中にある海斗の屋敷の中である。海斗は別段驚くこともなく、しげしげとその緋色の虎を見つめた。

「やっぱり・・・・・・というところか」

 人間が妖かしになる時、その本質が如実に現れるものである。大酒呑みの鳴鼓ならさしずめ『うわばみ』か『大トラ』のどちらかだろうと踏んでいたのだが、その予想通り鳴鼓は虎に――――――朱雀御前の二つ名に恥じない美しい獣に変化したのだ。あまりにも予想通りの変化に海斗は苦笑いを浮かべる。

「それにしても見事な毛並みだな」

 緋色の艶めく毛並みはまるで本物の炎をまとっているかのようだ。その背中を海斗はそっと撫でる。その瞬間、ぴくり、と鳴鼓の耳が動き、鳴鼓が目覚めた。

「あ・・・・・・海斗おは・・・・・よぉ!」

 寝ぼけた目をこすろうとした鳴鼓は己の手を見て思わず叫び、飛び起きる。それもそうだろう、見慣れた白く細い指先ではなく、緋色の虎の手が目の前に現れたのだ。そして慌てて全身を確認する。

「か、海斗!これって一体・・・・・・・!」

 見慣れた人間の体ではなく、炎のような緋色の毛皮を纏った虎の姿に鳴鼓は慌てふためいた。だが、海斗は別段驚いた風もなく鳴鼓の頭を優しく撫でる。

「俺とまぐわったから妖かしになっただけだよ。ちょっと待っててね。すぐに人間の姿に戻してあげるから」

 そう言うと、海斗は何やら呪文を唱え始めた。するとみるみるうちに鳴鼓の姿が虎から人間へと戻っていくではないか。ホッとした表情を浮かべ、昨日脱ぎ捨てた寝間着に袖を通す鳴鼓に、海斗が少し渋い表情を浮かべる。

「う~ん、どうやっても耳と尻尾だけは引っ込まないなぁ」

「え、これくらいなら別にいいんじゃない?さすがに全身虎の姿だと困るけど」

 生まれたての尻尾を振り、耳をぴくぴくと動かしながら鳴鼓は笑う。だが海斗は表情を崩さない。

「まぁ、耳の方は髪型で何とかすればいいけど尻尾は・・・・・・しばらく人前に出るときは十二単を着てもらって隠すか」

「何でそんなに気にするの?たかが尻尾じゃない。それに十二単なんて動きにくいじゃない」

 人間の世ならともかく、何故妖かしが跳梁跋扈するこの場所で耳や尻尾を隠さなくてはならないのか。海斗の意図が全く理解できず鳴鼓は困惑する。

「・・・・・・あ、そうか」

 鳴鼓の困惑に気が付いた海斗は、不意に意味深な笑みを浮かべた。

「鳴鼓は人間だったから、変化しきれない部分がどういう意味を持つのか知らないんだね」

 まるで獲物に食らいつく直前の獣のように、舌舐めずりをしながら海斗は鳴鼓ににじり寄る。

「ち、ちょっと海斗・・・・・・」

 正直昨晩の初夜の床の方が遥かに貴族的で上品だった。あからさまに欲望をむき出し、自分に迫ってくる海斗に鳴鼓は思わずたじろぐ。

「やっぱり『身体に』直接教えたほうが解りやすいよね」

 『身体に』という一言にやけに力を入れながら鳴鼓に告げると、海斗は鳴鼓の身体を強引に腕の中へ引き寄せ、鳴鼓の頭に生えている虎耳をいきなり甘咬みしたのである。

「ひゃあっ!」

 鳴鼓の口から反射的に素っ頓狂な悲鳴が上がる。海斗が虎耳を咥えた瞬間、その部分からぞくり、と快感が走ったのだ。それは昨日抱かれた時とは比べ物にならないくらい鋭く、強いもので、それだけで鳴鼓は気を遣りそうになってしまう。

「か、海斗ぉ・・・・・・」

 このままでは好き放題翻弄されてしまう――――――本能的に危険を察知した鳴鼓は、海斗の腕を振りほどこうとした。
 だが海斗は鳴鼓を抱きしめたまま、ぱたぱたと落ち着きなく動く尻尾の付け根を掴んだのである。すると甘咬みされた耳以上にぞわり、と強い快感が這い上がってくるではないか。

「だ、だめっ!それ以上は絶対に駄目なんだからっ!」

 もう耐えられないと鳴鼓は寝巻きが乱れるのも構わず海斗の腕の中でじたばたと暴れまくるが、細身の割に力がある海斗の腕はびくともしない。

「ね、解ったでしょう?妖かしは人間よりも数十倍も感覚が鋭敏なんだ。だからちょっと触っただけでも・・・・・・」

 海斗は付け根から先端に向かって尻尾を撫で上げた。その瞬間、尻尾から全身に激しく強い快感が波のように鳴鼓を襲ったのだ。

「や、やぁ・・・・・っ」

 腰のあたりから蕩けそうな快感に、鳴鼓は崩れ落ちる。全く触れられていないにも拘らず乳首は痛みを覚えるほど凝り、身体の一番奥からは淫蜜が流れだすのがはっきりと判った。海斗を欲する疼きに全身が支配され、鳴鼓は小刻みに身体を震わせる。

「慣れたらそのうち互いの『本性』でまぐわいたいところだけど、鳴鼓にはまだまだ刺激が強すぎるみたいだね。尻尾をちょっと撫でただけでこんなに感じちゃって」

 海斗は尻尾を撫でさすりつつ、鳴鼓の虎耳に舌を差し入れた。

「ね、ねぇ・・・・・・もう、判ったからぁ。ちゃんと人前、いや妖怪前か・・・・・・十二単なりなんなり着て尻尾や耳を隠すからぁ」

 これ以上尻尾を嬲られてしまったらどうなってしまうか自分でも解らない。快感に涙目になりつつ鳴鼓は海斗に訴えるが、海斗が愛撫を止める様子は無かった。それどころか、尻尾を撫でていない手を鳴鼓の豊満な胸に伸ばし始め、弄び始めたではないか。

「もう尻尾を可愛がってあげただけでこんなにしちゃって・・・・・・一晩寝たから疲れは取れたでしょう?人間の祝言は三夜連続だって言うし、それに則ったほうが良いよね」

 三夜連続――――――その言葉を聞いた瞬間、鳴鼓の顔は青ざめ、海斗の胸を細い腕で目一杯突き放す。

「海斗の場合は三日三晩でしょう!そんなの、こっちの身体が持たないってば!」

 だが、海斗はその腕の内側に指を這わせながらにっこりと、否、怪しげに微笑んだ。

「大丈夫。もし疲れたら俺の気を分け与えてあげるからさ。鳴鼓は心配しないで俺に身体を預けて・・・・・・」

「変態!すけべ!」

 虎の妖怪に変わってしまったとはいえ、妖怪としての鳴鼓はまだまだ生まれたての赤子のようなものである。そんな鳴鼓が千年以上もの年月を生きている『枝ノ護人』に敵うはずもないのだ。海斗に抱きしめられ、尻尾を掴まれたまま鳴鼓は再び床に押し倒された。



 頭に生えた虎の耳を軽く舐りながら、海斗は鳴鼓の尻尾を更にしごく。その絶妙な手さばきに鳴鼓は溺れてゆく。
 勿論好きな男に抱かれているという事実もあるが、それ以上に今まで感じたことにない強い刺激――――――人間であれば受けることさえ難しいほど強い快感に、抵抗する術鳴鼓はまだを持たないのだ。

「か、海斗ぉ」

 欲情に掠れた声で鳴鼓は啼き、海斗にすがりつく。

「妖かしのまぐわいも悪く無いだろ?こんなのまだまだ序の口なんだから」

 そう言いながら海斗は鳴鼓の耳から首筋に場所を変え、軽く噛み付いた。するとそこから甘く心地よい痺れが鳴鼓の全身に広がるではないか。

(そういえば・・・・・・妖かしの毒に慣らしている、って言ってたっけ)

 時折強く噛み付く海斗に鳴鼓が文句を言ったら、海斗がそう告げたのである。接吻による口移しでも毒を入れることは可能だが、それでは時間がかかってしまうらしい。最初こそ驚き、抵抗を感じた海斗の愛撫だったが、一晩ですっかり慣れてしまい、今では鳴鼓自らがそれを求めるように首筋を差し出している。

「ねぇ・・・・・序の口って・・・・・」

 海斗の毒による痺れと、それによて生ずる熱に浮かされながら鳴鼓が尋ねる。

「普通なら七日から十日くらい交わり続けても問題ないけどね。大蛇になると本格的な子作りでひと月は頑張るらしいよ」

 そう告げた瞬間、海斗は鳴鼓の尻尾をきゅ、と強く掴み、そのまま己の口許へ持っていった。

「ちょっと、何するの!」

 ただでさえ敏感な尻尾である。鳴鼓は嫌な予感を覚えるが、海斗は全くお構いなく鳴鼓の尻尾の先端を口許に持っていった。

「何って・・・・・・こうするのさ」

 海斗は微笑みの形に口を歪めた瞬間、尻尾の先端を口に咥え、軽く噛んだのだ。それと同時に海斗の牙から痺れを伴う毒が注入される。

「ああんっ!」

 花芽に直接的な刺激を加えられるよりもなお強し刺激が鳴鼓の全身を駆け巡る。その刺激に耐え切れず鳴鼓は気を遣ってしまい、海斗の腕にしがみついた。

「・・・・・・ね、解っただろう?こんな敏感でいやらしいものをひと目に晒すなんて俺が許せると思う?」

 ぺろぺろと尻尾を舐めながら、海斗は鳴鼓の顔を覗き込む。

「わ、わかったからぁ・・・・・・もう、尻尾とか耳は・・・・・・」

「何言ってるの?これからが本番だよ」

「じ、冗談!この世界には『後朝(きぬぎぬ)』って言葉はないの!」

「あるよ。だけど一日ごとにやるものじゃないし・・・・・・未来達にも聞いていいよ。そもそもまぐわい自体が普通七日から十日くらいかかるから」

 海斗は鳴鼓の本来の耳の方に唇を寄せつつ、更に囁いた

「だから鳴鼓に合わせて三日で我慢してあげる、って言ったのに。こうなったら俺の流儀十日十晩やらせてもらうよ」

 海斗はようやく鳴鼓の尻尾を開放し、秘所に手を伸ばす。そこは今しがたの愛撫によって失禁したようにぐっしょりと濡れていた。

「もう、口では文句ばかり言うくせに、身体は正直なんだから。もう俺が欲しくてウズウズしているみたいじゃないか」

「そ、それは海斗があんなにしつこく尻尾や耳を・・・・・・」

「言い訳無用。これなら昨日よりは楽に出来そうだね」

 その一言で鳴鼓は昨晩のことを思い出した。海斗の男の象徴が、人間に比べてかなり長大だったということに・・・・・・。

「え、あ、あのさぁ・・・・・・」

「大丈夫。鳴鼓だって妖かしになったんだから。取り敢えず試してみないことには、ね?」

 鳴鼓に身体を、そして長大な逸物をすり寄せながら海斗は鳴鼓に迫る。

「これだけ濡れていればもう大丈夫でしょう?じゃあ妖かし鳴鼓の初物、いただきまぁ~す!」

 待ってましたとばかりに鳴鼓の蜜口に宛てがわれた海斗の逸物は、するり、と鳴鼓の蜜壺に潜り込んでしまう。

「ひゃあっ!」

 いきなり入り込んできた侵入者に鳴鼓は驚きの声を上げるが、確かに昨晩ほどの辛さは感じなかった。それを確認した後、海斗は容赦なく腰を使い出す。

「あんっ、そ、そんなに激しく・・・・・ふあっ・・・・・・」

 下手な武士より遥かに力強く猛々しい情交に、自然と鳴鼓の口から嬌声が溢れ始める。

「ほらね。やっぱりこの身体のほうが馴染んでくれている。これからもっともっと気持ちよくさせてあげるから。それとね・・・・・・」

 海斗は鳴鼓の虎の耳に唇を寄せて囁いた。

「妖かしは生命力が強い分、子供になかなか恵まれないんだ。だけど元々人間だった鳴鼓ならば・・・・・・やっぱり四人か五人は欲しいよね」

「そ、そんなに!」

 今しがた、妖かしはそんなに子供が出来ないと言ったばかりなのに四、五人とは・・・・・・鳴鼓は目眩を覚える。

(平氏狩りから逃げるのと、海斗の子供を孕むのと・・・・・どっちが大変なんだろ)

そ んなことをぼんやりと考えながら、鳴鼓は快楽の海へと溺れていった。




「・・・・・・お兄ちゃん、いつになったら鳴鼓を開放するんだろう?」

「十日十晩は無理じゃね?」

 兄夫婦に挨拶しにやってきた未来と久遠だったが、青い几帳の向こう側から聞こえてくる、明らかにそれと判る気配に二人は呆れ果てる。

「本当に祝言に呼んだの、貴世輝達だけで正解だったよね」

「そうそう、貴世輝が言っていたけど『生真面目な奴ほど箍が外れると何をしでかすか判りません』だとよ。鳴鼓にゃ気の毒だけど、暫く放っておくしか無いだろうな」

「・・・・・・だね」

 黄泉大神の後継者の証である碧色の髪をした二人は顔を見合わせ肯く。そして未だ交わり続ける兄夫婦を置き去りに、未来の部屋がある東ノ対へと去っていった。




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ちょっとおまけ的な話になりましたが、新婚初夜の翌日の話を書かせていただきました(*^_^*)うん、やっぱり鳴鼓は大トラでしょう(^_^;)見た目は綺麗なんですが、中身は・・・な本質そのままの変化をしております。

ただ、虎といっても人間から変わったばかりの鳴鼓はまだまだ赤ん坊みたいなものです。これから自分自身で人間⇔虎への変化の仕方も覚えなくてはなりませんし、虎耳虎尻尾の隠し方も覚えなくてはなりませんし・・・でないと変態、もとい海斗に好き放題弄ばれてしまいます(^_^;
(少なくとも他の妖怪は鳴鼓に手が出せないでしょう。いくら生まれたてでも小さな妖怪くらいなら鳴鼓自身が蹴散らしてしまうでしょうし、さらに力のある妖怪に対しては海斗が黙っていないと・・・)
色々大変な鳴鼓ですが、生暖かくこの新婚カップルを見守ってやってくださいませ(^_^;)

そして来週からがくぽ✕ルカが主役の『迦楼羅の章』を開始します。こちらは朱雀の章よりも歴史色が強くなる予定・・・何せ舞台が此岸ですのでその辺りはご容赦を(^_^;)できるだけわかりやすく書くように努力いたします♪

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