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砂漠の星の物語 Page2

砂漠の星の物語~偽りの神の手2

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「ウツロブネ・プロジェクトを計画した科学者達は最悪の事態に備えてあらゆる『保険』をかけていました。それは母体であり教育係であるプロキシマの3人やHOPCプロトタイプの2体が何らかのトラブルに巻き込まれた場合も含まれていたんです」

小さな会議室全体を見回しながらユウトは語り続ける。

「その中で特に重要視していたのは『生殖』でした。全く知識の伝達がない中、未熟な女性体を守るにはどうしたらいいか―――その答えが『発情期システム』だったんです」

「発情期・・・システム?そんなことが出来るのですか?」

「ええ。単純に発情期を起こすだけならばさして問題なくできるんです。しかし未成熟な女性体を守るにはそれだけでは不足だった・・・そこで考えだされたのが毒素のある植物の遺伝子を組み込むことだったのです」

説明しながらユウトは3Dモニターに一つの画像を写しだした。

「我が先祖の出身国、日本で馴染みの深い植物に梅というものがあります。その未熟な種子にはアミグダリンやプルナシンといった青酸配糖体が含まれるのですが、これを人間の身体でも作ろうとしたのです」

画面に映し出されたアミグダリンとプルナシンの立体構造モデルと、それを組み込んだヒト遺伝子配列のモデルを見て、ゲノム解析担当女医、ラグナラ人医療専門医は驚きの声を上げる。

「これです!確かにラグナラ人のゲノムにこの遺伝子構造は含まれています!」

「我が先祖はこれを未熟な女性体に発生させる事で男性体から身を守らせようとしたようです。確かに性交をして死んでしまったら元も子もないですからね」

ユウトは肩を竦めつつポツリと呟く。

「尤もラグナラ人の毒は梅のようなやわなもんじゃありませんけど」

確かにラグナラの乙女達の毒は梅などよりも遥かに強い。それも遺伝子組み換えに寄るものなのか・・・。ユウトの言葉に頷き、ほんの少し戸惑いながらも、バドゥルはどうしても聞きたかった事案を思い切って口にした。



(7/27~8/2 twitterにて掲載)

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ここへ来てようやく『乙女の蟲毒』に関わってきそうな話が出てまいりました。どうやら研究者は新人類達に若い内に毒性を持つ梅の遺伝子を組み込んだようです。その発想が日本人系研究者なのでしょうけど・・・ただ、研究者たちはあくまでも『未成熟な状態で性交をしたら毒が回る』と想定して遺伝子を組み込んだのですが、ラグナラの乙女たちの毒はそれよりも遥かに強いんですよね・・・何せ噛み付いた相手を殺してしまうんですから(-_-;)

明日からの連載はその辺りを語らせると思います。(まぁ、実験とかではよくあることですけどね。想定外の結果が出るなんて^^;)
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