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「VOCALOID小説」
枝ノ護人

ボカロ小説・枝ノ護人~迦楼羅の章・安息(★)

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 壇ノ浦の騒動の後、暫しの間だけ海斗の屋敷で休息を取った嶽畝と琉華だったが、宣言通り美作の隠れ里で平氏の落人達と共に暮らし始めた。

 しかし都で暮らし、一時とはいえ栄華を極めた彼らにとって隠れ里での生活はかなり厳しいものだった。男達は川魚や鹿、猪などを追い求め数日間から長い時は十日以上帰ってこないことも珍しくなかったし、女達は女達で集落の裏の渓流から水を汲んだり、山菜や木の実、その他食料に出来るものを調達するのに一日中忙殺される。

 それでもこの集落とその近辺の山々は海斗によって結界が張り巡らされ、落人狩りを心配しなくていいだけマシだった。それ以前はこの集落の近くにまで落人狩りの農民らがやってきた事もあったと、木の実狩りの帰り道に琉華は仲間から聞かされたのである。

「やはり海斗様の結界は本物なのだわ・・・・・・となると、次回の狩りから天叢雲剣を携えて頂かないと」

 落人の仲間たちに作ってもらった家に戻った琉華は、家の一番太い柱に立てかけられた天叢雲剣を見て溜息を吐いた。それは元々安徳天皇の遺言に従って今上帝に返そうと思っていたものである。しかし海斗とその妹・未来によって『本来の力を発揮できる使い手が持つ事こそ天叢雲剣が望むこと』と強引に嶽畝に押し付けられたのだ。

 いや、そこまでは良いとしよう。問題はその後だった。隠れ里で暮らし始め、集落の者が木製の鍬で開墾に苦慮していることを知ると嶽畝は『太刀は二本あるから、これを潰して鍬先にしてしまおう』と昔から使っていた自分の愛刀をあっさり手放してしまったのである。

 確かに木の鍬や鋤では石ころや木の根だらけの山中の開墾は困難を極めるし、貴重品であるが鉄の鍬先があれば仕事は格段にはかどるのも確かだ。しかし、だからといって己の分身とも言える太刀を鍬先に変えてしまうとは――――――さすがにそれは、と窘めた琉華だったが、『農具を用意するのは上に立つものの勤めだ』と嶽畝は聞く耳を持たなかった。

 そのくせ残した天叢雲剣は『破魔の力があるから女衆を護ってくれるだろう』と家に置きざりにし、自分は手製の粗末な弓矢のみで狩りに出かけてしまうのである。しかしそんな素人作りの弓矢でさえ嶽畝は獲物を仕留め、集落の者を飢えさせることは無かった。

「小さいながら畑ができれば、少しは狩りに行く回数が減るのかしら」

 出かけるのは結界の中だけ、十日もすれば一旦は帰ってくると解っていても待つ身としては寂しさが募る。ふと覚えた寂しさに、琉華が天叢雲剣を抱きしめようとしたその時である。子供の歓声と共に男達の声、さらに女達の賑やかな声が外から聞こえてきた。どうやら狩りに出かけていた集団が隠れ里に帰ってきたらしい。

「琉華!帰ったぞ!お前も出てこい!」

 よく通る溌剌とした嶽畝の声に、琉華は思わず家を飛び出す。すると大きな鹿を二頭担いだ男達が、集落の中央の広場に鹿を下ろすところだった。これだけの大きな獲物なら、暫くの間狩りの必要は無いだろう。

「嶽畝様・・・・・・お帰りなさいませ!」

 震える声で嶽畝の帰りを迎えた琉華の目には嬉し涙が滲んでいた。



 鹿の解体を仲間に任せると、嶽畝と琉華は数日の汗を流す為、隠れ里から少し離れた所にある小さな滝へと向かった。

「今回はちょっと長く留守にしてしまったが、あれだけあれば半月は持つだろう」

 どうやら今回の狩りが長かったのはその為らしい。少しでも隠れ里にいる時間を長くして、開墾に充てたいと嶽畝は服を脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿になる。そしてそのまま滝壺へと飛び込んだ。

「きゃっ」

 嶽畝が飛び込んだ瞬間、派手に水飛沫がかかり、嶽畝が脱ぎ捨てた着物を拾い上げていた琉華は悲鳴を上げる。だが、嶽畝は知らぬふうに水から顔を上げると琉華を手招きをした。

「琉華もおいで。俺達がここで水浴みをしている間は誰も近寄らない」

 俺達――――――つまり琉華も一緒に水浴びをしろということらしい。それだけに嶽畝の誘いの言葉には熱っぽいものが含まれていた。その声を聞いた瞬間、琉華はここ最近生活に忙殺されて嶽畝と身体を重ねていなかった事気がつく。

「では・・・・・・お言葉に甘えて」

 頬を染めつつ琉華は水に濡れてしまった嶽畝の着物を干すように枝にかけたあと、その横に自らの着物をかける。そして生まれたままの姿になった琉華は、そっと水の中へ入り嶽畝の方へ近寄っていった。
 狩りの毎日に嶽畝の顔はすっかり日焼けしていたが、着物に隠れている部分は驚くほど色白で肌理が細かい。だが、それとは逆に身体つきは以前より胸板が厚くなり、逞しくなっていた。それに気が付いてしまった琉華はさらに耳まで真っ赤になる。

「何を今更照れている」

 嶽畝は照れる琉華の手を引くと、己の胸に引き寄せ強く抱きしめた。夏でも冷たい滝の水に冷やされた嶽畝の肌が、火照った琉華には心地よい。そしてそのまま嶽畝は強引に琉華の唇を奪った。

「・・・・・・ぷっ、はぁっ」

 息まで奪われるような激しい接吻に琉華は苦しげに息継ぎをするが、嶽畝はそれを長い時間許してはくれず、さらに琉華の唇を塞ぎ、舌を絡める。涼やかな滝や渓流の音に混じってやけに艶かしい濡音が響き、琉華はその音に酔ってゆく。

(溺れる・・・・・・)

 嶽畝に舌を吸われながら琉華はぼんやりと思う。そう思うからなのか、琉華の手は無意識に嶽畝の背中に回され、強くしがみついた。すると嶽畝は一旦唇を離し、琉華の顔を覗きこんで微笑む。

「琉華。そんなにしがみつかなくても大丈夫だぞ。ここは浅瀬なんだし、それに・・・・・・」

「それに?」

 琉華は豊満な乳房を嶽畝の身体に押し付けながら尋ねる。その柔らかさに惑わされそうになりつつ、嶽畝は琉華の耳朶に甘い言葉を流し込む。

「溺れそうになったら俺が助けてやる」

 その囁きにどれだけ琉華は翻弄され、溺れたことか――――――その瞬間、ふと湧いた悪戯心の赴くまま、琉華は嶽畝の首筋に顔を埋めながら尋ねた。

「・・・・・・では、嶽畝様に溺れたらどのように助けて下さいますの?」

 そう聞かれた瞬間、嶽畝は一瞬驚いたように目を大きく見開いたが、次の瞬間、蕩けるような優しい視線で琉華の瞳を覗きこむ。

「残念ながら・・・・・・救うことは出来ないな。諦めて俺に溺れてくれ」

 くすり、と笑いながら嶽畝は琉華の豊満な乳房を手で包み込んだ。清流によってすっかり冷たくなった乳房だったが、嶽畝の掌の心地よい熱さに琉華は気持ちよさそうに目を細める。

「そもそもとっくの昔に・・・・・・お前の『蘭陵王』を見た瞬間に俺は琉華に溺れているけどな」

 それは嶽畝と琉華の初めての出会いの日、琉華が踊った舞である。あの日から既に四年、互いの想いは全く色褪せてはいない。

「まさかあの時はこれほどまでに深い仲になるとは思わなかったが」

 そう言うと、嶽畝は膨らみの頂で震える乳首を軽く咥えた。それと同時にもう一方の乳首を指の腹で転がしながら、固く凝らせてゆく。

「あっ、ん・・・・・」

 乳首が舌や指で転がされ、甘咬みされるたびに琉華は押し殺した甘い声を上げる。その声に煽られたのか、嶽畝の空いたもう一方の手は琉華の腰をそして水の中に隠れている太腿の裏を這いまわり始めた。だが、一番触れて欲しい部分にはなかなか触れようとはしない。

「が、嶽畝様、あまり・・・・・・焦らさないで」

 武人らしい、猛々しい見た目からは想像できない繊細な愛撫に、琉華は嬌声を上げる。どのような愛撫をすれば琉華が昂ぶり、自ら嶽畝を求めてくるか知り尽くしているその手管は、留守を守っていた琉華にはあまりにも残酷だ。
 求めれば逃げ、しかしなお琉華を嬲るその指先がようやく琉華の花弁に触れたのは、琉華をさんざん啼かせた後だった。

「だいぶ飢えていたようだな、琉華」

 普段の優しく穏やかな美声とは違う、男を意識させる艶めかしい低音に琉華の背筋は震える。

「だ、だって・・・・・・」

「こんなに熱い蜜を孕んで・・・・・・これは明らかに清水では無いだろう?」

 嶽畝は意地悪く指摘しつつ、太い指を琉華の繊細な花弁に潜り込ませる。すると明らかに水とは違う、熱いぬめりを帯びた液体がその指に絡みついた。嶽畝は中指を琉華の蜜壺の更に奥に潜り込ませ、親指をぷっくりと膨らんだ花芽に宛がうと小刻みに動かし始める。

「あんっ、そんなに、しちゃあ・・・・・・はうんっ!」

 しびれる快感に膝から崩れ落ちそうになるのを耐えつつ、琉華は嶽畝の背中に爪を立てる。だが、琉華の爪など子猫に引っかかれた程度にしか思わないのか、涼しい顔で嶽畝はさらに琉華の膣内を、そして興奮にぷっくりと膨らんだ花芽を擦り上げた。

「も、もう、堪忍・・・・・・」

 このままでは嶽畝の指だけで昇天しかねない。琉華は愛撫の手を止めてくれと訴えるが、その願いとは逆に嶽畝の愛撫はますます激しくなる。

「いくらでも気を遣ってしまって構わないよ、琉華。今日は男達が鹿鍋を作るだろうし、琉華が休んでいても無粋なことを聞く輩はここにはいない」

 嶽畝は囁くと、琉華の耳朶を軽く舐る。それはとことんまで琉華を貪るという宣言であった。その意図を理解してしまった琉華は、欲情に熱っぽく潤んだ瞳で嶽畝を睨む。

「もう!少しは謹んでくだ・・・・・・きゃあ!」

 嶽畝に文句を言おうとした瞬間、琉華は蜜壺に指を挿れられたまま嶽畝の肩に担ぎ上げられたのである。そしてあられもない姿のまま、二人は陸へと上がった。

「久しぶりなのに謹んでなんかいられるか。俺達二人が消えた時点で皆だって判っているさ」

 琉華を更に恥ずかしがらせるような一言を告げると、嶽畝は琉華を柔らかな草の上に横たえる。その瞬間、琉華の目に嶽畝の熱り立った逸物の姿が飛び込んできた。
 腹まで付きそうなほどそそり立った逸物は、陽光を反射し怪しい光を湛えている。その凶悪さに気が付いているのかいないのか、嶽畝は急くように己の逸物を掴むと、その先端を琉華の蕩けきった蜜口へ宛がった。

「行くぞ、琉華」

 嶽畝の言葉に、琉華は恥じらいながら頷く。その瞬間、灼熱の塊が琉華を貫いた。

「はぁっ・・・・・・ん!」

 灼熱の棒が脳天を貫くような、圧倒的な存在感に琉華は眉根を寄せ呻く。嶽畝の肌や自分の肌は水で冷やされて寒いほどなのに、繋がった部分だけは灼けるように熱い。
 その熱を感じる間もなく嶽畝は動き始めた。琉華の感じる部分を知り尽くした腰使いに、淫らな快感を伴った熱が琉華の全身へと広がっていく。

「が、嶽畝様ぁ」

 腕を伸ばし、嶽畝にしがみつく琉華を嶽畝も柔らかく抱き返す。飢えた獣のように互いを求め、貪りつくす激しい情交に、二人は徐々に絶頂へと昇り詰めてゆく

「る、琉華!そろそろ・・・・・・い、くぞ!」

 限界が近づきつつある嶽畝の動きがさらに早く強くなる。その動きは大きな快楽の波となり、琉華を飲み込んでゆく。

「嶽畝さま、わたし、も・・・・・・ああっ!」

 嶽畝のひときわ激しい動きに琉華の甲高い嬌声が重なる。その瞬間、嶽畝の精が放たれ、琉華の膣内で熱く爆ぜた。



 柔らかな草の上を、微かに秋の気配を感じさせる風が吹き抜ける。

「琉華、そろそろ戻ろうか」

 嶽畝が琉華に声をかけながら枝にかかっていた着物を渡す。

「はい」

 琉華は頷きながら嶽畝から受け取った着物に袖を通し、帯を結んだ。白拍子として京都で名を馳せていた頃とは比べ物にならないくらい貧しく厳しい暮らしだが、嶽畝を支え、共に生きてゆく事は自分で選び取った道である。
 嶽畝に差し伸べられた手に自分の手を添え立ち上がると、琉華は嶽畝と共に仲間の待つ集落へと戻っていった。




「・・・・・こう言っては何だけど、君の妹夫婦って本当に頑固者だよね、鳴鼓」

 庭の池に映しだされているのは、粗末な部屋にぽつんと遺されている天叢雲剣である。それを見つめながらぼやく海斗の言葉に鳴鼓も思わず頷いた。

「出会った時からそうだったのよ。周囲の反対もなんのその、二人で押し切っちゃって。でも嶽畝様に『枝ノ護人』の資格有り、って認められたのは本当のことなの?」

「ああ。何せ神々でも使いこなすことが出来ない天叢雲剣を、初めてであそこまで使いこなしたんだ。その気になれば俺より遥かに強い力を得ることも出来るよ」

「・・・・・・でも、多分その話をしてもあの生活をやめようとはしないわよ。『集落の者たちを見捨ててはいけない』って。取り敢えずあの二人の寿命が来るまで待ってもらってもいいかしら?」

「別に構わないと思うよ。その間、俺と貴世輝で山陰を護るから」

 海斗の言葉に鳴鼓は安堵の笑みを浮かべる。確かに貧しく厳しい暮らしだが、琉華と嶽畝は己を見失うこと無く進むべき道を踏みしめている。自分達がいちいち見守っていなくても問題ないだろう。

「問題は麟よね。早く助けてあげないと」

「・・・・・・引き取りに行かないと、の間違いじゃないの?弁財天や八幡大菩薩が俺に泣きついてきたよ。あのじゃじゃ馬娘を早く引き取ってもらわないと御曹司がボロボロになる、ってね」

 どうも鳴鼓は妹のことになると贔屓目で見てしまうらしい。海斗は苦笑いを浮かべながら水鏡に映っていた天叢雲剣を消して、次の景色を写しだした。




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『枝ノ護人』迦楼羅の章後日譚、『安息』です♪平氏の落人の仲間とともに隠れ里で暮らすことになった嶽畝と琉華ですが、やはり指導者として色々試練があるようです。その話だけでも長編がひとつ出来てしまいそうですが・・・この話はここでやめておかないと地獄を見ますから(^_^;)

エロの方は気がついたらアオカンになっていたという(-_-;)うん、書いている時すっごく暑くって、水浴びしたら気持ちいいんだろうな~と思って書いていたらこんなことになってしまいました。さすがに誰も来ないって判っているからこ~ゆ~大胆な真似をしちゃったんだろうと思います。決して拙宅のがっくんとルカが変態ってわけじゃありません、多分(え゛)


来週は帰省のためボカロ小説はお休み、そして次回8/18からようやく『枝ノ護人』最終章『迦陵頻伽の章』が始まります。姉二人よりも大変な恋をすることになる麟ですが、よろしかったら応援の程お願い致しますm(_ _)m
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