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「VOCALOID小説」
Confession~告白~

ボカロ小説・二人きりのBirthday~Confessionその後・3

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 半年前までの逢瀬では、カイトは用が済むとすぐにメイコから離れホテルの部屋を後にした。それがカイトの『賢者タイム』なのだろうとメイコは気にも留めていなかったし、むしろしつこく付きまとわれなくて助かると思っていたくらいだ。
 だが今夜のカイトはまるで違う。一度精を放った後もメイコを抱きしめ、穏やかな、しかし徐々に煽るようなキスや愛撫を仕掛け続ける。

「ねぇ・・・・・・カイトって、こんなにキス魔だったの?」

 自分を包み込む優しいぬくもりの中、絶え間なく与え続けられる愛撫に喘ぎながらメイコが尋ねる。今夜だけでどれほどのキスをされたのか数えきれない。さすがに明日のメディカル・チェックを考慮して多少は遠慮してくれているが、もし全てにキスマークを付けられていたら全身カイトの痕跡だらけになっているだろう。

「う~ん、メイコ限定で、ってところかな?」

 首筋を喰んでいた唇を離し、カイトが微笑む。

「それなりに遊んでいるけど、さすがに俺だって好きでもない相手にキスなんかしないよ」

「じ、じゃあ二年前・・・・・・」

 カイトはきっと覚えていないだろうが、自分にとってのファーストキスはどうだったのだろうか。メイコが尋ねかけたその時、意外な答えが返ってきた。

「ああ、初めて事務所近くのバーに行った時だよね。あの時、実は本気でメイコに惚れかけてた」

「え?」

 思いもしなかった返事に、メイコは目を丸くする。

「あの日、仕事でちょっと嫌なことがあって、やけ酒するつもりでメイコをあそこに連れて行ったんだ。『MEIKO型』なら酒に強いだろうと思って・・・・・・そうしたら意外とかわいい反応しちゃってさ」

 当時を思い出しているのか青い目を少し細め、カイトは語り続ける。

「ほろ酔い、ってこともあったのかもね。いつもは頑なのに、あの日はやけにごきげんな笑顔で・・・・・・俺に向けられた笑顔って、あれが初めてだったから余計に可愛く感じられてさ。もしもキス直後に流れたあのエンタメニュースが無かったら、あの時本気で告白していたかもしれない。っていうかTVつけたままヤるんじゃなかったとマジで後悔した」

 カイトの思わぬ告白に、メイコもその時のことを思い出し苦笑いを浮かべた。あの日、流しっぱなしにしていたTVはメイコが原因である。
 カイトとの二人きりの『間』が耐えられなかったあの頃、ベッドに入る時にはTVやラジオ、有線などをつける癖があったのだ。だがカイトはその事には一切触れず、淡々と思い出話を続けてゆく。

「あのルカ型の子とは一度だけしか仕事していないのにさ・・・・・・しかもプロモでもないのに変な噂を立てられたんだぜ。それだけでもムカついていたのに、メイコまであのニュースを見た直後から強張った顔しちゃったしさ」

 当時の事を思い出したのか、カイトは少し拗ねた表情を浮かべた。

「あの顔は未だに忘れられない・・・・・・あれ以来『俺達は身体だけの関係にしかなれないんだ』って、俺は思い込もうとしていたんだと思う」

 それに対し、メイコは申し訳無さそうに小さな声で衝撃の事実を告げる。

「・・・・・・実はね、カイトと噂になったあのルカ型の子、私の親友なの。ボカロ研究室の北堀先生のルカ」

「えっ?」

 それを聞いた瞬間カイトの顔が青ざめ、メイコの肩を強く掴んだ。

「い、言っておくけどあの子とは本当に何もないから!っていうか、がくぽが目をつけていた子で・・・・・・」

「大丈夫、わかってるって。あの後、ルカに聞いたもの。VanaN'Iceのメンバーとのお仕事だ、ってマスターの北堀先生に言われて意気揚々と行ったら、お目当てのがくぽ君じゃなくてカイトだったからがっかりしたって」

 クスクスと笑いながらメイコは自分の肩を掴んでいたカイトの手をやんわりと外す。そして宥めるようにカイトの唇に自分の唇を重ねた。そのキスでカイトの動揺は徐々に収まり、それを確認した後、メイコはゆっくりと唇を離す。

「でもね、あのニュースを視た直後は本当にショックだった・・・・・・私、親友の恋人と関係を持っちゃったのかって。しかもキスまでしちゃって」

 しんみりと俯くメイコの頬にかかる髪を掻き上げながら、カイトが優しく語りかける。

「あの時にお互い逃げないでちゃんと話しあっていたら、違う未来が待っていたのかもね・・・・・・あ、思い出した!ちょっと待ってて!」

 カイトはベッドから慌てて降りると部屋を飛び出し、そしてリビングテーブルに置いてあった紙袋を持って寝室に戻ってきた。

「メイコに夢中になって忘れるところだった・・・・・・生誕祭、おめでとう!」

 ティファニー・ブルーの小さな包を取り出し、カイトはそれを両手でメイコに差し出した。

「本当は凱旋祝いも兼ねて盛大にパーティをするべきなんだろうけど・・・・・・今夜くらいは二人っきり、っていうのも良いよね。下手したら向こう数年二人っきりの生誕祭なんて過ごせないかもしれないし」

「・・・・・・ありがとう」

 メイコはその小さな包を開ける。すると中からピンクサファイヤをあしらった、愛らしいリングが出てきた。それをカイトが指で摘み、メイコの左手薬指に通す。するとまるで誂えたかのようにぴったりとメイコの指にはまった。

「これはあくまでも生誕祭のプレゼントだからね。婚約指輪はルビーかダイヤモンドの、できればオーダーで作るつもり」

「ちょっ、婚約って・・・・・・!」

 話が飛びすぎると言おうとしたメイコを、カイトは強く抱きしめる。そして耳許に唇を近づけ、いつになく甘い声で囁いた。

「メイコもこれからかなり忙しくなるだろうし、俺もCMの契約があるからすぐにとはいかないけど・・・・・・そう遠くない未来、絶対に一緒になろう」

 自分と同じシャンプーの香りがするメイコの髪。それに指を絡めながらカイトが口にした言葉は、紛うことなくプロポーズだった。

「メイコがボカロ・アマチュア・ナイトで歌った歌の歌詞にもあったよね?」



――――――今なら 二人で暮らすのも 悪く無いと思い始めた



 カイトの唇から奏でられる歌声が心地良く耳を擽る。大好きな歌を愛する人が歌ってくれる、それだけでメイコの身も心も蕩けそうな幸せに包まれるが、それを素直にカイトに告げるのも少し面白くない。

「・・・・・・ずるい。私より上手く歌うなんて」

 カイトの胸の中で腕を突っ張り、わざと怒った風に唇を尖らせるが、その仕草さえカイトには可愛らしい媚態にしか思えなかった。

「だけど聞かせるのはメイコだけかな。自分の素が出ちゃうから、他の誰かがいるところでは絶対に歌えない・・・・・・あ、でも一度だけなら人前もありかな。俺達の結婚披露宴の時に」

 砂糖菓子よりなお甘いカイトの睦言に、怒り顔を作りたくてもついにやけてしまう。ばか、と小さく呟くと、メイコはカイトの背中に腕を回し、ぎゅっ、と抱きしめた。



 今までの空白を埋めるかのように互いを求めあった結果、メイコが眠りについたのは日付が変わり、夜が明け始めた頃だった。だがその眠りは甘いキスによって破られる。

「おはよう、メイコ。昨日の空港での事がかなり大騒ぎになってるよ。リビングに行って見てご覧よ」

 ニヤニヤと思わせぶりな笑みを浮かべつつカイトがメイコをリビングに促した。

「え?」

 カイトの言葉にメイコがリビングに出ると、丁度到着ロビーから出てきたところが映されていた。それを見た瞬間、メイコの頬は真っ赤に染まる。

「うそ・・・・・・あんなにくっついていたの、私達」

 カイトに肩を抱えられ、上半身が密着した状態で空港内を歩いているその映像は、明らかに恋人、しかもかなり親密な関係の二人にしか見えなかった。朝の番組とはいえ、かなりの好視聴率を取っている番組である。親しい仲間は勿論、研究所に対しても言い訳は不可能だろう。

「まあね。これでメイコは俺の嫁だって日本中に知らしめることが出来たかな」

 メイコとは対照的に満足そうな笑みを浮かべながら、カイトはメイコをソファーに座らせる。その勢いでパジャマの裾がめくれ上がりそうになり、メイコは慌てて裾を押さえた。それを惜しそうに見つめつつ、カイトが『今日の予定だけど』とスケジュールを口にし始める。

「さっき研究所に事情を説明したら、フクザワ・プロまで迎えに来てくれるそうだよ。でもって研究所の北堀先生とうちの社長同伴でメイコのフクザワ・プロ入りの記者会見を開くってさ」

「そ、そんなところまで話が進んでいるの?」

 レンタル・ボーカロイドの采配は全て研究所が行っているが、まさかメイコが与り知らぬところでこんなに話が進んでいるとは思いもしなかった。唖然とするメイコに、カイトはソファーの隣に座りながら肩を竦める。

「むしろ遅いほうだよ。普通なら空港で記者会見してもおかしくないんだから」

 カイトは意味深な笑みを浮かべつつ、メイコの頬にキスをした。

「という訳で、俺達、午後まで暇なんだよね。だからさ、朝ご飯が終わったらもう少しだけ・・・・・・ね」

 メイコの太腿に手を滑らせながらカイトがメイコの顔を覗き込む。その青い瞳は既に獲物を狙うように輝いており、今にもメイコに襲いかかりそうだ。

「・・・・・・ばか」

 恥ずかしげに一言だけ返したメイコだったが、その声が甘い喘ぎに変わるのにそれほど時間はかからなかった。




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『Confession~告白~』シリーズ、ようやく最終話まで辿りつけましたヽ(=´▽`=)ノ何だかんだで伏線の回収が結構大変だったという・・・(^_^;)でもメイコ生誕祭にプレゼントを渡せた事と、エライジャ・クレイグを初めて呑んだ日は、実はカイトにとっても特別な日だったんだよ~と言うことを打ち込めたので、その点では満足しております\(^o^)/

そして突如割り込ませて頂いたメイコの親友・北堀さんところのルカの話www実はこのカイトとのスキャンダルがきっかけでVanaN'Iceのがくぽと付き合うことになったという裏設定があります。そして『réincarnation』シリーズ冒頭のデート話に繋がるといった感じで(*^_^*)結構時間の流れはアバウトなのですが、そんな感じで捉えてくれるとありがたいかもです(*^_^*)

来週12/1はリクエストを頂いている『枝ノ護人』シリーズの初夜編を(これはブログ限定小説で)、8日からルカ生誕祭&V4X祝いの長編に取り掛かりたいと思います♪
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