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「紅柊(R-15~大人向け)」
乙未・秋冬の章

禁断の寒仕込み・其の壹~天保六年十二月の戯れ(★)

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 大川のせせらぎと木枯らしの啼く音と共に賑やかな宴の声が聞こえてくる。飢饉の不景気が続いているとはいえやはり年末、年忘れの宴だけは別らしい。特にこの日は煤払いの宵とあって、深川の茶屋『粋月』にも多くの客が繰り出していた。

「みの吉、今度は二階のお座敷に上がっておくれ。たつ芳は一階の奥の座敷」

 以前芸姑として働いていた誼で『粋月』に手伝いに来ているお涼は、てきぱきと後輩の芸者達に指示を出してゆく。そのきりりとした姿からは仕込み屋としての妖艶な姿は微塵も感じられない。

「済まないねぇ、お涼。こんな時に遣り手のよし政が寝込んじまうなんて」

 お涼同様芸姑たちの采配をしていた女将のかね治がお涼に詫びる。それに対してお涼は『困ったときにはお互い様』と笑顔を見せた。

「仕方ないですよ、女将さん。そもそも一昨日の武左公がいけないんですから。風邪を引いているのに無理してうちの茶屋に乗り込んできただけじゃなく、よし政姐さんにしつこく絡んで」

 お涼は一昨日のことを思い出しながら、色っぽい唇を尖らせる。

「しかもあの男、わっちが今『仕込み』をしている娘に色目を使って・・・・・・本当に腹立たしいったら!」

「仕込みって・・・・・・ああ、あのお久奈って娘かい?そこそこかわいい顔をしていながら気働きができるいい子だよね。三味線ができれば明日からでも芸妓として座敷に出せるのに」

 どうやら女将も久奈の機転の良さを認めているらしい。だが、幾ら恩義のある女将であっても久奈を渡すことは許されない。

「やめてくださいよ、女将さんまで。一昨日は人手が無いってことであの子にも手伝わせたんですから・・・・・・そもそもあの子は既に売約済みなんですよ」

 師走になり、時々この茶屋に手伝いに出てきているお涼だが、さすがに一昨日はあまりにも人手が少なすぎて、仕方なく久奈も手伝いに引っ張りだした。その途端、酔客に目をつけられるわ女将にも芸妓にと誘いをかけられる始末である。
 十月に瀬田から『仕込み』を依頼されておよそ二ヶ月、磨きをかけた久奈はますます人目を惹きつけるようになってしまっている。
 『仕込み屋』として誇らしい反面、迂闊に久奈を人目に触れさせることは出来ないと痛感したお涼は、この日も多忙だったにも拘らず、久奈を『粋月』に連れて来なかった。そしてそれは正解だったと女将の言葉を聞いて確信する。

「ところで女将さん。今日の所はたつ芳のお座敷で最後ですよね」

 お涼はたすき掛けにしていた三味線の糸を外しつつ、女将に妖艶な笑みを向ける。

「ではわっちはこれで。また明日も手伝いに来ますね」

「ああ、頼んだよ。それと素月園先生にも宜しく伝えておいておくれよ」

 そもそもお涼は素月園に身請され、芸妓から足を洗っている。それにも拘らず見世の手伝いを快く許してくれる奇特な旦那なのだ。素月園に対し異常なほど気を使う女将に作り笑顔を向けると、お涼は早々に『粋月』を後にした。



 普段は素月園の仕事の邪魔をせぬよう、お涼と素月園は別々に暮らしている。だが、お涼が『粋月』の仕事を手伝っている間は『仕込み』途中の娘の見張りを素月園にしてもらうため、変則的な『同居』をすることになっていた。
 そんな理由から『粋月』の手伝いを終えたお涼は向島にある素月園の家に帰宅する。すると、黄八丈を身につけた久奈が奥から出てきて三指を突いてお涼を出迎えた。

「おかえりなさいませ、お涼様」

 『仕込み』の一環として下女見習いもしている久奈だが、下女にしては着ているものやや華やかすぎる。普段と違うその衣装に、お涼は怒るどころかむしろ淫蕩な笑みさえ浮かべ、久奈に尋ねた。

「おや、初々しい格好だねぇ。今度は『町娘』の注文がお師匠様のところに舞い込んでいるのかい?」

 お涼は上がり框に座り込むと、久奈の顎を指で持ち上げる。おおかた本来来る予定だった芸妓が、年末の忙しさに来れなくなったのだろう。

「はい。先程先生は休憩に入られました」

「そう、だったら『閨の稽古』をするにはちょうどいいわね」

 にやり、と笑いながらお涼は久奈の唇を強引に奪い、上がり框に座り込んだまま久奈の舌を貪り始めた。

「・・・・・んぁっ、お、お涼さ、まぁ・・・・・」

 溺れそうなほど濃密な接吻の合間に、久奈は喘ぎ声を上げながらお涼の名を呼ぶ。その瞬間、今まで優しかったお涼の言葉が鋭くなる。

「何度言ったらわかるの?稽古の間は『おねえさま』とお呼びなさい!」

 お涼は久奈の胸を着物の上から鷲掴みにし、捻じりあげる。

「す、すみません・・・・・・お、ねえさまぁ」

 お涼から与えられる快楽と痛みに翻弄されながら、久奈は涙を浮かべながら謝る。その切なげな謝罪に欲情をそそられたのか、お涼は更に激しく久奈の唇を貪り、膝に手をかけた。その時である。

「おいおい、お涼。玄関でがっつくのもいい加減にしろ。いくら鬱陶しい茶屋仕事で気がくさくさするからって」

 玄関の異様な雰囲気を感じ取ったのか、素月園が呆れ顔で玄関に出てきた。手燭に照らされた二人の女の着物は微妙に乱れ、好き心をそそるが、そんな光景に慣れてしまっている素月園は表情一つ崩さない。

「あら、お解りじゃありませんか、お師匠様。仕事の鬱憤は色事で晴らすのが一番・・・・・・お師匠様とはまた違った味わいがあるんですよ」

 素月園の視線を感じつつも、久奈の袷に手を差し込むお涼は悪びれた様子はない。どうやらいつもとは違う、清楚な町娘姿の久奈に欲情しているらしい。

「その様子だと夕飯は向こうで食ってきたようだな・・・・・・だったら奥でやってこい。もう既に床は敷いてある」

 素月園は顎で奥座敷を指し示しながらお涼を促す。

「それと忘れねぇ内に言っておくが、明日、瀬田様がここに『討ち入り』に来るそうだ」

「あら、いつもは十日に一度様子を見にいらっしゃるだけなのに・・・・・・今回は早いんですね」

 この前瀬田が久奈の様子を見に来たのは四日前だった。てっきり次回は十九日あたりに来るのかと思っていただけにお涼は意外そうな顔を擦る。

「年忘れの宴が大変なんだとさ。明後日から全部年末の挨拶やら接待やらで潰れちまうらしい。だから久奈を堪能できるのは今年中は明日が最後、あとは引き渡し以降になるらしい」

「なるほど・・・・・・寂しいわね、お久奈ちゃん」

 お涼はちろちろと舌先で久奈の耳をくすぐりながら囁いた。

「『姫始め』までお預けですって。瀬田様の名前を聞いただけでとろとろにお股を濡らしちゃうお久奈ちゃんが耐えられるかしら?」

 意地悪く囁きながら、お涼は草履を脱いで立ち上がり、久奈を抱きかかえる。

「明日は瀬田様にたっぷりとかわいがってもらいましょうね」

 淫蕩な響きが籠もるお涼の囁きに、蕩けそうな表情の久奈は素直に頷いた。



 布団の敷かれている部屋に転がり込むと、お涼は急くように久奈を布団に押し倒す。そして帯に手をかけながら素月園に声をかけた。

「お師匠様、ちょいとこの子の相手をしてくださいませんか?例の道具箱を持ってきますので」

 すると意外なことに素月園が『俺が持ってきてやる』とお涼に告げた。

「実はちょいと面白いモンを今日もらったんだ。そいつを試してぇ。具合がいいようなら他の娘にも使えるし、春画に描けば仲介料も期待できる」

 期待に弾む素月園の言葉に、お涼は苦笑いを浮かべる。

「またろくでもないものを・・・・・・腕の良い春画描きの許にはいかがわしいもんが集まるんですねぇ」

「人のことは言えねぇだろう。同じ穴の狢じゃねぇか」

 そう言い残すと素月園は意味深な笑みを浮かべつつ、部屋を一旦出て行くとすぐに戻ってきた。その手には張形が収められた道具箱と、鬢付け油を入れるような小さな壺が収められている。

「それは?」

「四つ目屋が持ち込んできた、新しい塗り薬だそうだ。後で張形やお前たちの秘め処にたっぷり塗ってやるよ」

 思わせぶりな物言いと共に素月園は道具箱を枕元に置き、二人の傍に胡座をかいた。

「それよりまずは二人の絡みを見せてもらおうかい。どうせそのつもりだったんだろ、お涼?」

「さすがお師匠様。では後ほどよろしくおねがいしますよ」

 お涼は久奈の乳房を剥き出しにするやいなやその頂きを口に含む。そして歯と舌を使って軽く弄び始めた。それだけで久奈は反射的に嬌声を上げ始める。だが淫らな宴はまだ始まったばかりだ。

「本当にお久奈ちゃんは淫らな身体をしているな。瀬田の旦那の許しさえあれば、この様子を春画に収めたいところだが」

 舌なめずりをしながら、素月園は菊座用の細めの張形を取り出した。既に瀬田を受け入れることさえできる久奈にとってその張形はやや物足りないであろうが、今日はこれに先ほどの媚薬を塗りつけるのだ。あまり大きすぎては久奈の身体が持たないだろう。

「お涼、お久奈ちゃんを四つん這いにさせてくれ」

「こうですか?」

 お涼は久奈を自分の腰に跨がらせその華奢な背中に腕を回す。そしてそのままお涼が仰向けに倒れこむと自然と久奈は腰を高く掲げた四つん這いの姿勢になった。更にお涼が久奈の脚を自分の膝で開くものだから、久奈はいやが上にも大きく脚を開いて恥ずかしい部分を全て素月園の目にさらけ出すことになる。

「何だ、もう出来上がっているじゃねぇか。本当にすけべな娘だな、お久奈ちゃんは」

 素月園は目の前にさらけ出された花弁と菊座を張り形の先端で撫でながら掠れた声で指摘する。その声に身悶えるように久奈が腰を揺すると、つつっ、と太腿に淫蜜が流れていった。

「じゃあそろそろ始めるぞ」

 素月園は小壺の蓋を開け、その中身を筆に取ると最初に張り形に、そして続けて久奈の菊座にその液体を塗りつけた。その瞬間、久奈の菊座がむず痒い熱さに襲われる。

「っ、ああ・・・・・・ああんっ、あついっ!あついのぉ、おねぇさまぁ!素月園さまぁ!」

 久奈は叫び、反射的にしとどに濡れた花弁をお涼の秘所に擦りつけた。



UP DATE 2014.12.3

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すっかり定番になるつつあるこのカルテットですが、今回もお久奈ちゃん、しょっぱなから弄ばれております(^_^;)
そちらの方はもう勝手にやってくれという話なのですが、久奈が手伝いに行った際、絡んできた武左公・・・ちょっとにおいますよねぇ(-_-;)
その謎解きは瀬田も絡んできてからのお楽しみということで、今年最終話の激エロ、お楽しみ下さいませ♡
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