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「紅柊(R-15~大人向け)」
丙申・春夏の章

梅花香の宵闇・その貳~天保七年二月の祝言(★)

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 今夜しか味わえない、『花嫁』としての縫を思う存分堪能しなくては――――――芳太郎はゆっくりと乳房から腹へと手を滑らせた。子供を一人産んでいるとは思えない細い腰は、芳太郎の指先が触れる度に微かに跳ねる。その反応はまるで若い娘のように活きが良かったが、芳太郎の指先や掌に触れる肌は成熟した女のものだ。しっとりした、掌に吸い付くような柔らかさを堪能しつつ、芳太郎はわざと焦らすように臍の周辺を撫で回す。

「だ、だんな・・・・・・さま?」

 出会い茶屋での性急な愛撫と明らかに違う芳太郎の動きを訝しく思った縫が、芳太郎に声をかける。すると芳太郎は縫の身体に己の身体をゆっくりと密着させながら囁いた。

「今日からは線香代を気にすることもありませんからね。じっくりとお縫さんの身体を堪能させてもらいますよ」

 それこそ明日の仕事のことさえ気にしなければ、一晩中だって縫を抱き続けることも許される。そして明日の道場の稽古は午後からで良いと吉昌から告げられていた。それこそ欲望の赴くまま縫をむさぼることができるのだ。

(そう言えば祝言の翌日は、先輩の殆どが眠そうに道場に出てきていたっけ)

 祝言の高揚感と男としての挟持があるのだろう。新婚初夜早々、『新婚初夜にろくに妻を抱かずぐっすり眠りました』では先輩は勿論、十代の後輩たちにも鼻で笑われてしまうだろう。
 そんな思いがあるからだろうか、芳太郎が知っている中では結婚に乗り気でなかった銀兵衛以外、たいてい真っ赤な目をこすりつつ道場にやってきていた。

(そう言えば銀兵衛さんは大丈夫だろうか)

 芳太郎の祝言に出席できないとの詫びの手紙が届いたのは三日前のことである。新實と出くわし、左腕を切る大怪我を負ったというのだ。腕の怪我が落ち着き次第江戸にやってくるとの話だったが、早くても三月くらいになるだろう。殺されていても文句は言えない相手と遭遇しながら一命を取り留めた、銀兵衛の強運と剣の腕を褒めるべきなのだろうが、芳太郎としては気の毒さが先に立つ。

(銀兵衛さんもようやく喜代さんと仲良くやっていけるようになったのになぁ)

 そんな事を取り留めもなく思っていた芳太郎の意識を戻したのは、指先の泥濘んだ感触だった。
 少し開いた脚の奥に息づいている花弁はすっかり綻び、芳太郎の指先を包んでくちゅり、と卑猥な音を奏でる。いつも以上に大きく感じられるその音と、指先の泥濘に芳太郎は悪戯心そのままに縫に囁く。

「ねぇ、いつもより濡れているの判ります?」

 耳朶に唇や舌が微かに触れ、縫の官能を刺激する。愛撫にも似たそんな囁き方に、縫はぴくりと身体を跳ね上げ、涙声で訴えた。

「そ、そんなこと・・・・・・恥ずかしい、から」

 縫は恥じらい、身体を捩って芳太郎の手から逃げようとする。だが芳太郎はそれを許さず更に指を奥へと進めた。淫蜜をとめどなく滴らせる蜜壺に入り込んだ芳太郎の指先は、軽く内壁をえぐるようにとば口を引っ掻く。すると蜜壺に溜まっていた淫蜜がとろり、と溢れだし、縫の内腿や尻へと流れだした。

「恥ずかしがらなくてもいいんですよ。俺とお縫さんだけの秘密なんですから」

 わざと濡音を大きく立てつつ芳太郎は縫の花弁を、そして蜜壺を嬲る。そして時折ぷっくり膨らんだ花芽を擦り上げて縫を啼かせた。今日は容赦なく縫を翻弄したい、そんな思いが芳太郎を支配している。だが、その嬌声は出会い茶屋での情事に比べて押さえ込んでいるように芳太郎には聞こえた。

「もしかして・・・・・・声、我慢してます?」

 芳太郎の問いかけに、縫は潤んだ目で芳太郎を見つめながらこくり、と頷く。

「だって・・・・・恥ずかしいじゃない。ご近所さんに聞かれでもしたら」

 消え入りそうな声で訴える縫に、芳太郎は愛おしさと、更なる欲情を覚えた。

「だったらいくら声を出しても大丈夫なようにしてあげますよ」

 と、芳太郎は言うなり縫の唇を貪り始めた。縫の唇を割った舌は蛇のように縫の口腔をのたうちまわり、全てを犯すように舐めまわしてゆく。そして縫の小さな舌を探り当てた瞬間、芳太郎の舌は縫の舌を絡めとり強く吸い上げる。
 確かに口を塞がれ舌の自由を奪われては声を出すことは出来ない。しかしその分より多くの快楽が芳太郎によって縫に送り込まれてしまうのだ。口を、蜜壺を、そして乳房――――――あらゆる場所を一度に愛撫され、縫は軽く気を遣ってしまった。

「・・・・・・お縫さん。最近更に感じやすくなっていませんか」

 縫の唇を開放した芳太郎が、掠れた声で縫に語りかける。その端正な唇は縫の唾液に濡れ、まるで紅を引いたようだ。

「そんなに感じまくっていたら終わりまでもちませんよ。俺・・・・・・今夜は我慢しないつもりですから」

 芳太郎は下帯から逸物を引きずり出しながら縫の耳朶を甘噛みした。とにかく一度、精を吐き出さなくてはこの昂ぶりに耐えられない。すっかり解れ、しとどに淫蜜を滴らせる縫の蜜壺に、前触れもなく芳太郎は逸物を突き入れた。

「ああっ!」

 自分の胎内にいきなり侵入してきた、愛おしくも不埒な侵入者に思わず甲高い声を出してしまった縫は、慌てて手の甲で口を押さえる。まるで小娘のようなその仕草が愛らしく、芳太郎はますます昂った。縫を堪能したいという理性とは裏腹に、芳太郎の身体は貪欲に縫の身体を穿ち、責め立ててゆく。

「最初は・・・・・・もちそうもないけど、二度目からは絶対に・・・・・・ううっ!」

 呻き声とともに芳太郎の身体は微かに震え、縫の胎内に熱いものが迸る。いつもの半分の時間も耐えることが出来ず、芳太郎は精を吐き出してしまったのだ。
 だが、逸物は萎える様子を全く見せず、むしろ縫の蜜壺の中でますます力を漲らせていくようだ。そしてそのまま芳太郎は再び腰を動かし始めた。

「だ、ダメェ・・・・・・芳ちゃ・・・・・・だんな、さまぁ」

 思わず『芳ちゃん』と結婚前の呼び方で芳太郎を呼んでしまった縫に、芳太郎は嬉しげに囁く。

「やっぱり『芳ちゃん』の方が落ち着くな。ね、閨の中だけは今までどおりの呼び方にしませんか?でないと・・・・・・」

 芳太郎は不意に動きを止める。

「一晩中生殺しのまま、いかせてあげませんよ」

 一度精を吐き出してしまっているからだろうか、余裕綽々で縫を翻弄する芳太郎に、縫は不満そうに唇を尖らせる。

「そんなの・・・・・・ずるい」

 口に出しているのは不満の言葉だが、その声音はどこまでも甘く、睦言にしか聞こえない。芳太郎は己の鼻先を縫の鼻先に近づけながら甘えた声でねだった。

「じゃあ『芳ちゃん』って呼んでくださいよ。閨の中だけでいいですから」

 ここまでくれば後は互いの我慢比べだ。ゆっくりと、あからさまに焦らす腰使いを芳太郎は始め、縫の様子を伺う。最初こそそれに耐えていた縫だったが、じわじわと身体を侵蝕しながら決して自分を満足させてくれない快楽の埋み火に縫は折れてしまった。

「・・・・・・わかったわよ、『芳ちゃん』」

 女の悦びをすっかり教えこまれてしまった身体に、焦らし責めは堪える。恥ずかしそうに更なる刺激を求める縫に応じるかのように芳太郎は再び激しく動き出した。そして芳太郎の激しくも絶妙な愛撫に、縫は瞬く間に高みに昇り詰め、気を遣ってしまった。



 荒く、艶かしい息遣いが部屋を染める。芳太郎は縫の片足を己の肩に担ぎ上げ、俗にいう『松葉くずし』の体勢で縫の身体を貪っていた。さすがにここまで大胆な体位は狭い出合茶屋ではやりにくい。
 脚を思いっ切り広げられた縫の秘所は芳太郎の逸物を咥え込み、芳醇な蜜をまき散らす。武家の女としてあるまじき嬌態に、縫は己を恥じながらそれでも芳太郎を求めてしまう。

「お縫さん。お縫さんからも繋がっているところが見えるでしょ?」

 芳太郎は息も絶え絶えの縫に語りかける。

「しっかりと俺の逸物に絡みついて――――――すっかり淫蕩な身体になってしまいましたね」

「だ・・・・・・誰の、せいだと・・・・・・あふんっ」

 逸物の出し入れと同時に花芽を軽く摘まれた縫は鼻にかかった嬌声を漏らした。娼妓でさえ赤面するようなあられもない姿を晒す縫に、芳太郎の高揚感は最高潮に達する。

「俺のせいだって言いたいんですか?まぁ確かにお縫さんの前の旦那さん達がもう少し上手かったら、俺はお縫さんと夫婦になれなかったかもしれませんし・・・・・・俺がお縫さんを淫らな人にした、ってことにしておきましょうか」

 芳太郎は腰を激しく縫に打ちつける。芳太郎が指で首筋を撫でるだけで反応するほど敏感なのに、他の男には冷淡すぎるほど無反応というのも芳太郎の優越感をくすぐる。

「俺がお縫さんの良人になったからには・・・・・・絶対にお縫さんを幸せにするからね。昼間の生活のことも、そして夜のことも」

 縫の細い体を穿つ動きは更に早くなってゆく。それに伴い縫の髪は乱れ、声も更に切なくなってゆく。

「よ、芳ちゃん・・・・・・・もう」

「行きますよ!今度は二人で一緒に・・・・・・ああっ!

 芳太郎が熱い迸りを大量に吐き出したその直後、縫の喉からもひときわ高い声が部屋中に響いた。



 結局二人の情事は夜が白み始める頃まで続いた。そして今、芳太郎に徹底的に翻弄され、疲労困憊の縫は芳太郎の腕の中で安らかな寝息を立てている。芳太郎としてはまだまだ縫を欲しているのだが、さすがに年上の愛しい人に無理をさせることは出来ない。縫の寝間着から仄かに香る梅花香の匂いを嗅ぎながら芳太郎は縫の身体を更に強く抱き寄せる。

(これからはこんなふうに毎晩・・・・・・お縫さんの寝顔を見ることが出来るんだ)

 仮眠程度の寝顔なら何度も見たことがあるが、ここまで本格的に寝入っている縫を見るのは初めてだ。物心ついた時から互いを知っているはずなのに、まだまだ知らない『縫の一面』があることに芳太郎は新鮮さを覚える。

(これからもっともっと・・・・・・お縫さんを知ることが出来るんだ)

 その中には縫でさえまだ知らない一面があるかも知れない。そんなこれからの楽しみを夢想しつつ、芳太郎も眠りの泥濘へと落ちていった。 



UP DATE 2015.2.11

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ようやく初夜本番を迎えた芳太郎と縫ですが、やはりこの日は特別だったようです。特に芳太郎のほうがwww何せ縫と違って初婚ですからねぇ、テンションが上がるのは否めません(^_^;)

しかしやはり新婚初夜の描写は難しい(>_<)というか山田道場若手組はあんまりアブノーマルにしたくないというのがありまして・・・ノーマルというか大人しめエロのバリエーションなんてそうそうないんですよ(T_T)そんな中でそれぞれの独自色を出したいですし・・・物書きの欲望は尽きません(-_-;)

むしろエロ本番前後の方がそれぞれのCPの特色が出しやすいですね。次回更新は2/18、新婚初夜翌日の芳太郎家の様子をお届けしますので楽しみにしておいてくださいませ( ̄ー ̄)ニヤリ
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