「短編小説」
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木魚講・其の伍(★)

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 一人の女と四人の男が入り乱れた男女の狂宴は朝になるまで続けられた。流石に大学生の若者たちも疲労困憊で、それぞれ寝台や床で泥のように眠りこけている。そんな中、芙美子は寝台の中央に仰向けに寝転んでいる夫の髪に指を絡めながら微笑んだ。

「今日はたっぷり愉しめたわね。あたしも、そしてあなたも」

 その何かを含んだような悪魔の微笑みに、阿久岡は慄きの表情を浮かべる。

「あら、そんな顔をして・・・・・・心配しなくてもいいのよ、喜美治さん。あなたの性癖に関してはこの子達をうちの会社に雇って口止めをしっかりすればいいし、他の男の子にも興味があるって言うならば、あなたを満足させてくれる相手も探してあげる」

 そう言いながら芙美子は阿久岡の両足を広げさせる。そして男達を受け入れ、すっかり綻んでしまった菊座へと指を這わせた。

「あんっ!も、もうそこは・・・・・・」

 まるで女のような声を上げる夫に、芙美子は嫌悪するどころか恍惚の表情さえ浮かべる。

「かわいい人。たまにはあたしもあなたを犯してあげないとね。そうね・・・・・・大奥で使われてた、っていう水牛の張形なんか良いかもしれないし、肥後ずいきも効果があるって言うわね」

「や、やめ・・・・・・てっ」

 阿久岡は生娘のように怯え、首を横に振る。これが大人たちによって作られた彼の本性なのだろう。すっかり『女』になってしまった夫に対し、芙美子は加虐の笑みを見せつけた。

「何が止めて、よ。お尻をほじくられただけですぐに前を勃たせるくせに。もう指だけじゃ満足できないでしょ」

 満足気に笑うと、芙美子は空いた手で夫の逸物をしごき始める。

「だめっ!そ、それは・・・・・・おかしくなっちゃうからっ!!」

「喜美治さん、あなたに拒否権なんて無いの。とにかくあたしが孕むまで犯すからね」

 芙美子は命令口調で断言すると、再び阿久岡の逸物の上に跨り、腰を降り出した。

「・・・・・・やれやれ、阿久岡さんも大変だな」

 いつの間にか目を覚ました誠作が、眠っているふりをしつつ辰彦に耳打ちする。

「ああ。今までの不義理の代償とは言え、ちょっと気の毒だ」

 辰彦も眠っているふりをしながら誠作に同調する。

「これで子供が出来てくれりゃあ御の字だけど」

「ダメだったらまた来月も、ってことだよな。俺、他の遊びを全部控えて勉強しないと本当に落第しかねないかも」

 思わずこぼれてしまった辰彦の嘆きに、誠作も思わず頷いた。



 信じられないような性の狂宴、それから五年後――――――。

「社長、本日の予定ですが」

 第一秘書に昇格したばかりの成島誠作が社長・阿久岡喜美治に対してスケジュールを読み上げる。

「9時から重役会議、10時半には岡崎商事の吸収合併についての最終調整、午後1時から記者会見が始まりますのでそれまでに手短にお願い致します」

「判った」

 三十路半ばとは到底見えぬ阿久岡社長が、誠作の読み上げに頷いた。

「あとこちらが吸収合併計画の担当、尾上辰彦と小菅柑太郎からの報告書です」

 誠作は報告書と共に小さなメモ切れを手渡す。そのメモ書きに目を落とした阿久岡は思わず表情をほころばせた。

「・・・・・・ああ、そうか。今日は下の子の誕生日だったな」

「やはりお忘れでしたか。ここ最近、合併の件で忙しかったですから。お子様への誕生日プレゼント、何か買っておきましょうか?」

 誠作の気遣いに悪丘は暫く考えた後、思い出したように要望を告げる。

「そうだな。そう言えば芙美子が舶来物の知育玩具が欲しいと言っていた気がするんだが」

「では後ほど奥様にお伺いしておきます。では準備ができ次第第1会議室へいらしてください」

 そんな公私に渡り行き届いた手配をする誠作に他の秘書たちは付いていくのがやっとであった。

「やっぱり成島さんは俺達とは出来が違うよなぁ」

「社長のコネで、って話だったからとんでもないお坊ちゃんかと思ったらいやはや」

「よく外の大企業に取れらなかったものだよ」

「それは同期の尾上さんと小菅さんもだよな。あの二人も新入社員の頃からできが違うって、大越専務が仰っていたし。彼らのおかげでウチも一流企業の仲間入り目前だもんな」

 そんな同僚の会話を背後で聞きながら、誠作は内心冷や汗をかいていた。

(そりゃそうだろ。社長の『男妾』だってバレないようにするのに、どんだけ俺達が苦労しているか知りもしないで)

 初めての乱交で無事芙美子が懐妊を果たし、彼らが就職した後も三人と夫婦の関係は続いていた。ただでさえ『コネ』で入社した彼らである。夫婦との関係がバレようものなら会社全体から白い目で見られるだろうし、事と次第によってはマスコミにも嗅ぎつけられる可能性がある。それだけは絶対に避けなければならないのだ。
 仕事は頑張りつつ、しかし社長夫婦との関係はバレぬよう、威張ること無く頭は低く――――――そうやって三人は入社してからの間過ごし、ようやくひとつの結果が出たのである。

(ま、できるだけ目立たず、ってのは変わらないけどな)

 そう心中思いつつ、誠作は阿久岡の前から下がり、芙美子に子供らへのプレゼントの詳細を聞くために電話をかけた。

「奥様、成島ですが」

『あら、誠作くん?あなたがこの時間に電話をかけてくるということは・・・・・・やっぱりあの人、芙喜子の誕生日プレゼントの要望、忘れていたんでしょ』

 芙美子に図星を突かれ、誠作はぐうの音も出ない。

「はい、そのとおりです」

「高島屋の貿易部門で取り扱っている玩具があるの。それを注文してきてちょうだい。人気がある商品だから今日は手に入らないかもしれないし」

「承知しました」

「それと」

 芙美子が思わせぶりに一呼吸おく。

「喜美彦も学習院の幼稚舎に入ったことだし、芙喜子もようやく乳離したから、そろそろ3人目が欲しいのよね・・・・・・辰彦さんや柑太郎さんにも声をかけて今日の芙喜子の誕生日パーティに来てもらえないかしら?」

「我々は構いませんが、本日社長は岡崎商事側との食事会が入っておりまして」

「あら、なおさら好都合じゃない。予めあの人を嬲る為の下準備の時間がたっぷり取れるでしょ」

 嫣然と恐ろしいことを口走る芙美子に誠作は苦笑いすることしか出来ない。

「では高島屋で注文をしてから三人でそちらに伺わせていただきます」

 誠作はそう告げると電話を切る。

「やれやれ、明日は日曜日とは言え、大変な一日になりそうだ」

 もうすぐ重役会議が始まるであろう。誠作はその前に辰彦と柑太郎にこの件を告げるため、二人がいる総務部へと向かった。




UP DATE 2017.9.30

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阿久岡と芙美子夫妻、そして大学生三人の淫らな狂宴はなんとか無事着地点を見いだせたようですε-(´∀`*)ホッ
まず本来の目的である芙美子の懐妊ですが、1人ならず現時点では2人の子供に恵まれております(≧∇≦)ほぼ間違いなくその後も子作りの度に彼ら3人は呼び出されたのでしょう(^_^;)
その3人は辛うじて留年すること無く就職することが出来ましたヽ(=´▽`=)ノ先日の『おぼえ書き』も書かせていただきましたが、当時の失業率は平均5%、遊び呆けていて留年ギリギリの学生が就職できただけでも御の字なのです。そんな中、コネを最大限利用し、更に社長夫婦との関係もバレぬよう仕事はしっかり&頭は低くを徹底し会社での地位を築き上げたようです。これはこれで神経使いそうですけどねぇ(-_-;)ま、親戚に顔向けできるだけいいのか(^_^;)
最後に阿久岡ですが、少年時代に作り上げられてしまった性癖を満たしてくれる相手(複数)が見つかり、妻にも容認されたというのは幸せなんじゃないでしょうか・・・本来なら離婚されても文句は言えない(>_<)少年時代ならともかく、大人になった時点で『受け』であることは伝統的な『衆道』では認められませんので(受けは未成年という前提→その為ジジイになっても前髪を剃らなかったという老人の話もある)その性癖を受け入れてもらえるだけで奇跡なのです(๑•̀ㅂ•́)و✧

というわけで、この5人の話はここまでとなります。きっとうまい具合に会社も私生活も運んだのではないでしょうか(●´ω`●)
来週からは『江戸瞽女の唄・最終章』(もしかしたらエロが入るかもしれない)、その次にまたエロ小説に取り掛かる予定です(^_^;)
(もしかしたら『木魚講シリーズで短編を書くかも。登場人物はガラリと変えちゃうと思いますが・・・例えば今回登場の大学生の馴染みの芸者→別の相手とのエロとか(^_^;)それは追々考えます(๑•̀ㅂ•́)و✧)
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