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「VOCALOID小説」
日出ずる国の暗黒郷(ディストピア)

ボカロ小説・日出ずる国の暗黒郷(ディストピア)52

 ←烏のがらくた箱~その四百四十五・新作書くならこの本を元ネタに・その一 →拍手お返事&昔を懐かしむ、ではないですが・・・
渡守のカイトがプリントアウトした橋は、きっちり5分後には実体を伴った橋になった。

「すごい!勿論これって車も通れるのよね?」

「そりゃそうさ。でなけりゃ意味がないだろう。ただし15分後には消えて無くなってしまうから早めに渡りきっておくれ」

老婆は笑いながらメイコを促す。

「ここを渡る者もめっきり少なくなってしまったからね。必要な時に必要なだけ架けておけば事足りるんだよ。ちゃんとした橋を架けたままにしておくと政府の輩が攻めてきかねない・・・通信網攻撃は接続を切っておけば簡単に防げるけどね」

「・・・ここも政府の攻撃と無縁じゃないのね、やっぱり」

「勿論。日本にいる限り、いやこの地球上にいる限りあいつらと人間の戦いと無縁じゃいられないだろうね。さぁ、早くお行き。でないとせっかくプリントアウトしたものが消えてしまうよ」

老婆の勧めにメイコは頷くと、素早く車に乗り込みエンジンをかけた。

「橋をかけてくれてありがとう!帰りにはもう少しお話できるかしら『オワリ』さん?色々聞きたいことがあるんですけど」

「勿論。今度は静岡名物の美味しいお茶を用意しておくよ」

深く刻まれた皺を更に深くして老婆は笑う。その笑顔に見送られながらメイコはアクセルを踏み、一気に橋を渡り始めた。
橋の走り心地は普通の道と遜色なく―――否、むしろ中途半端な舗装修理が無い分走りやすいかもしれない。だがこの橋は5分で消えてしまう儚いものなのだ。
アクセルを目一杯踏み込んで一気に橋を渡りきったその瞬間、今まで渡ってきた橋は淡い光の破片となり、ハラハラと大井川の水面に崩れ落ちる。そして水面に届いた破片は更に細かく砕け散り、光の粒子となって水に、そして空気中へと溶けて消えていった。

「きれい・・・まるで蜃気楼みたい」

その美しさに、メイコは暫しの間車を止めてその光景に見入ってしまう。そして橋の全てが光の粒子と消えってしまった後、改めてアクセルを踏んだ。今度この光の橋を渡る時は修理を終えたリンやレンと一緒のはずだ。そんな明るい未来を期待しつつ、メイコは『聖地』に向かい走り続けた。




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どうやら『聖地』近隣は独特の科学技術が発達しているようです。何せ日本の屋台骨をささえていた中京工業地帯、開発者だけでなく腕の良い職人も大勢いるでしょうし集まってくるでしょう。そんな彼らが作り出したものの一つが今回登場した『レイ・プリンター』です。
光の粒子を個体化、触れることができる物質に変化させるものですがまだ不完全なようでして15分しか保ちません(^_^;)だからこそ『使い捨ての橋』として利用できるのでしょうが・・・そんなレイ・プリンターを預かっている渡守『オワリ』とその相棒のハイスペック・カイトは只者ではなさそうです。少なくとも平凡な渡守でもボカロP&ボカロでは無いはず・・・多分彼らはもう一度話に出てきます。その時に正体がわかれば良いのですが・・・(まだちゃんとは考えていない^^;)

明日からは聖地に到着したメイコと、研究所のやり取りが中心となる予定です♪
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