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運び屋アレク Page2

運び屋アレク RAN AWAY~とことん逃避行・4

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心地よい機械音と共に『ケイロン』を始め逃走用小型軍艦達もスタンバイを完了させる。

「準備OKだ。そろそろみんなを乗せちまってくれ。まずは病人、その次に12歳以下の子供とその保護者、動けない高齢者、最後に野郎どもだ。それとイワンさん、頼みがある。」

アレクはカッツェとルシフェラにに避難民の誘導を任せると、元・プロキシマ宇宙軍大佐だったというイワンに声を掛けた。

「何だい?俺に出来ることだったら何でもやるが。」

「だったら後ろに連ねていく小型軍艦に『使える奴』を集めて乗って欲しい。」

そう話し始めたアレクの声は真剣そのものであった。

「確かに『ケイロン』は優秀だが、万が一という事もある。俺達がやられちまってもあんたらが残っていれば避難民全滅という最悪のパターンは避けられるだろう?」

「確かに、リスクは分散させた方がいいな。」

イワンはアレクの言葉に納得すると、すぐさま元・軍人達を集めて打ち合わせを始めた。

「とりあえずこんな所かな。カッツェ、そっちの方はどうなった?」

「今のところ順調です。この調子でしたらあと15分23秒後に全員の乗船が終了します。」

「OK。」

アレクはカッツェの返事に満足し、深く席に座り直した。

「だったら20分後ジャストにテイクオフだ。いいな、カッツェ。」

「Yes,Master.」

カッツェの機械的な声が『ケイロン』の中に響き渡り、アレクはW-11時代のキャプテン・アレクへと変貌していく。
いざという時の武器のチェック、微妙なパワーバランスの調整、そして『ケイロン』に乗り込んでくる避難民一人一人の確認等、並みの操縦士ならHOPC任せにしてしまう仕事も自ら行い、万全を期す。特に避難民の確認はスパイが紛れ込んでいないかのチェックも兼ねるため真剣だ。

「乗船する奴等に問題は無さそうだな。カッツェ、そっちのチェックでも問題は見つかっていないだろう?」

「はい。6人ほど深刻な病状の高齢者がいますが、太陽系標準時間で72時間以内に太陽系にたどり着ければ問題ないでしょう。最悪私が治療に当たります。」

「そういう状況にならないことを願いたいけどな・・・・・お、どうやら全員乗ったらしいぞ。」

モニターを見ながらアレクが身を乗り出した、その時である。

「非常事態発生!政府軍接近中、大至急脱出せよ!」

警報音と共にマシン・ボイスが政府軍の襲来を告げたのだ。


アレクはその警報音に表情を引き締める。

「ようやくお出ましか。ま、避難民が全員『ケイロン』に乗り込むまで待っていてくれただけありがたいと思うべきなんだろうな。カッツェ、お前は操縦に集中しろ。戦闘は俺が引き受ける。」

アレクは兵器操縦用ラインをイヤホンの如く耳にセットすると、正面に出てきた砲撃用キーボードに指をかけた。3、4カ所の兵器操縦なら兵器操縦用ラインひとつでことたりるが、『ケイロン』級の軍艦の兵器を一人で操縦するとなるとやはりキーボード操縦の方が遙かに効率がよい。
アレクは攻撃用アプリケーションを立ち上げると即座に煙幕で『ケイロン』を包み込み、砲撃のスタンバイを開始した。

「・・・・・硫酸煙幕ときたか。またタチの悪い物を積み込んでいやがる。」

てっきり人畜無害の煙幕だとばかり思って煙幕を発射したアレクは舌打ちをする。
よく言えばどこまでも実戦向き、悪く言えば最強最悪の人殺しの道具、それが『ケイロン』なのだ。その人当たりの良さに騙されたらとんでもない兵器を使ってしまい自爆しかねない。アレクは改めて気を引き締め、慎重に狙いを外しながら飛び出してきた敵を威嚇射撃し始めた。



(1/23~2/5 twitterにて掲載)

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大変ご無沙汰しました、運び屋アレクもようやく再開です。しかし、まだRUN AWAYしていない・・・・・あともう1週間か2週間ほど続きそうです。

今回の補足は『ケイロン』に搭載されている武器について。この時代においても普通煙幕は人畜無害な物質から出来ているものなのですが、『ケイロン』に搭載されているのは硫酸成分たっぷりの硫酸煙幕・・・・・敵を薬品火傷させる気満々です。これはまだプロキシマ・ケンタウリが弱小国だった頃の名残という設定です。例え煙幕であっても殺傷能力を!という敵意むき出しコンセプトの下、武器その他を作ったんじゃないかと・・・・・。なので『ケイロン』のOS(というか人格)とは全く関係無く、結構凶悪な武器を搭載していると思われます。ただしレトロ風味でしょうけど(笑)。

明日からはようやくテイクオフ、本格的な戦いの開始ですv
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