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「横浜慕情(大人向け)」
横浜慕情~虔三郎と結衣

横浜慕情 浜猫の唄・其の参

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野毛の丘陵にある時鐘が夜の十時を告げる。地を這うような低い音を耳にして、虔三郎は褥に入ってからすでに一時間以上が経過していることに気がついた。
 妓楼での遊びの癖か、つい時間を気にしてしまう自分に虔三郎は苦笑する。今抱いている女(ゆい)は自分の-------自分だけの妾であり、残り時間など気にしなくてもいい相手なのだ。

(慣れるまでに時間がかかりそうなのは、俺も同様だな。)

 娼妓にしろ、素人娘にしろ、今まで虔三郎は特定の相手を作るのを避けてきていた。虔三郎のエキゾチックな容貌と金離れの良さに集ってくる浅ましさ、むせかえる白粉の甘ったるい匂い、これ見よがしの媚びを振りまき虔三郎の機嫌を取る癖に、不意に見せる虔三郎の凶暴さに対し手のひらを返したように見せる嫌悪・・・・・その全てが疎ましい。
 女を、否、人を求めながら、絶望し、最後の最後で拒絶してしまう--------それは幼き頃から受けていた、混血故の差別が根本にあるのかも知れない。そんな人を信じたくても信じ切れない虔三郎の前に現われたのが結衣であった。
 最初は借金の分だけ抱いたら捨て去ればいいと思っていた。だが、日が経つにつれ結衣が今まで虔三郎が出会った女達と全く違うことに気がついたのである。
 虔三郎の容貌に対しおののく事も、変な媚びを売る事もしない。化粧だって虔三郎が強要しない限り、白粉どころか紅さえ付けようともしない。さらには、虔三郎が情事の際に見せる乱暴な行為さえも受け入れてしまう---------もしかしたら結衣を抱くことで自分が変われるかもしれないと、虔三郎は淡い期待を抱き始めていた。

 だが、そんな虔三郎とは対照的に、結衣は虔三郎の腕の中で繰り出される愛撫に溺れきっていた。虔三郎という嵐に巻き込まれ、翻弄される木の葉のように全てを委ねている結衣に、虔三郎の思惑を感じ取れと言うのは酷であろう。うっすらと開いた唇からは吐息と共に微かな嬌声が零れ始め、拙いながらも快感を訴え続けている。

(そろそろ、頃合いかな。)

 これだけ昂ぶっていれば、花芽に触れても大丈夫であろうと、虔三郎はそっと結衣の花芽に触れる。だが、結衣の反応は虔三郎の予想とは全く違うものであったのだ。

「痛いっ!」

 今まで虔三郎の愛撫に陶然としていた結衣だったが、そのびりびりと身体の芯を走り抜ける痛みに顔をしかめ、腰を引いてしまったのだ。

「まだ、ここに直に触れると痛いか?」

 結衣のような敏感で、感じやすい女子にままあることだが、充血し、ふくれあがった花芽に直接触れると刺激が強すぎて痛みを覚えることがある。虔三郎も結衣の過剰な反応を考慮してできるだけ優しく触れたつもりだったが、それでも結衣にとっては強すぎたようだ。

「・・・・・はい。」

 初めて感じる痛みに一瞬怯えたものの、虔三郎の表情からわざとではないことを知り、結衣は頷く。

「だったら、これならどうだ?」

 虔三郎はもともと花芽を包み込んでいた包皮ごとそっと花芽を擦り出した。

「これなら・・・・・痛くないです。」

 他の女子だったらそのまどろっこしい刺激に苛立ちを覚えるかも知れない、緩やかな愛撫であるが、刺激になれていない結衣にとってはこれでも充分すぎるほどである。
 とにかく、『本番』まで結衣を怯えさせては今までの努力が無駄になってしまう。虔三郎は慎重に花芽を愛撫しながら今度は激しく蜜を滴らせている蜜壺へ指を宛がった。

「今度は痛くても許してやれない所だからな。できるだけ力を抜けよ。」

 そしてそのままつぷり、と結衣自身さえも触れたことがない未知の領域へ指を進めた。

「うっ・・・・。」

 虔三郎の指が新有した瞬間、結衣は顔をしかめる。男にしては細い虔三郎の指だが、それでも未通の蜜口は狭すぎる。強い抵抗を指先に感じながらも虔三郎の指は奥に進んでいった。結衣の蜜壺は本人の意思と関係なくきゅうきゅうと虔三郎の指に絡みつき、虔三郎の指が奥へ侵入するのを妨害するが、それでも不埒な侵入者は誰の侵入も許したことのない結衣の蜜壺を堪能してゆく。

「う・・・・んっ・・・はぁっ・・・・。」

 微かな痛みと胎内からの蠢きによる違和感、そしてそこからわき上がってくる快感に結衣は身をゆだねる。

「・・・・・もう一本、増やすぞ。」

 虔三郎はさらに指を増やしてゆく。

「いっ・・・・・・・!」

 さすがに二本はきついのか、さらに結衣が眉間に皺を寄せる。だがそれも一瞬のことであった。虔三郎がゆっくりと指を動かし始めると、結衣の身体から力がさらに抜ける。痛みが無いはずはないのだが、それ以上に虔三郎の愛撫が心地良いのかまぶたを閉じ、虔三郎の愛撫に集中している。

「やっぱりお前は痛みまで受け入れちまうんだな、お結衣。」

 虔三郎は空いている方の腕で結衣を抱き寄せながら耳許で囁く。

「痛みまで・・・・・?」

 閉じていたまぶたを開け、結衣は虔三郎に尋ねる。

「普通、初めてだったら指を二本挿れられたら痛くてしょうがないはずだぞ。なのにお前は・・・・・。」

 その瞬間、虔三郎は激しく指を出し入れし始めたのだ。

「ああんっ!」

 内蔵をえぐり出されるような激しい動きに結衣は驚きの声をあげるが、その声には処女とは思えない甘いものが含まれていた。くちゅくちゅと卑猥な音を立てながら結衣の脚の間で蠢く指は、容赦なく結衣を襲いつづける。
 処女にとってそれは痛みを増長するだけの乱暴な行為でしか無いはずなのに、結衣の身体は激しく蜜をまき散らしながら虔三郎の愛撫に応えてしまっているのだ。これではどんな言い訳をしようとも、信じて貰える訳もない。

「出し入れするのにだって苦労するほど狭隘なのに、こんなに感じやがって。これだったら俺の逸物を受け入れるのもそれほど苦労しねぇな。」

 虔三郎は結衣の反応に満足すると、ぬかるみ、熱っぽくたぎっている蜜壺から指を引き抜く。粘りを帯びた蜜は虔三郎の指に絡みつき、淫猥な光を含みながら糸を引く。

「ほら、触ってみろ。これを今からお前の中に挿れるんだからな。」

 虔三郎は結衣の手を引っ張り、己の逸物に触れさせる。

「や・・・・・・っ。」

 手に触れた瞬間、結衣はその大きさに驚き手を引こうとするが虔三郎はそれを許さなかった。熱く、脈打つそれは結衣の手に余るほど長く、太い。他の男のものを知らないから虔三郎のものがどれほどの大きさなのか、結衣には判らなかったが、西洋人の祖父の血がここにも現われているのだろう、並の日本人よりはかなり大きなものである。

「こ・・・・・んな・・・・・・に?」

 大きいものなのか・・・・・結衣は虔三郎に尋ねようとするが、言葉にならない。

「普通よりは多少でかいかな・・・・・だが”やや”が出てくることを考えたらこんなもん、大したことはないだろう。じきに慣れる。」

 虔三郎はそういうと、とろとろに蕩けそうになっている結衣の蜜壺に逸物を宛がった。

「最初は痛いが辛抱しろよ。」

 優しく語りかける虔三郎の言葉に安心したのか、虔三郎の背中に腕を回した結衣がほっと息を吐き、力を抜いた。その瞬間を見逃さず、虔三郎は一気に己の逸物を突き入れたのだ。

「きゃあっ、痛いッ!」

 身体を二つに引き裂かれるかと思うほどの激痛が結衣を襲う。その痛さに暴れ出そうとする結衣を虔三郎の力強い腕が強く抱きしめ、これ以上はないと言うほど密着する。

「だから言っただろう。痛いが辛抱しろって。」

 ぶっきらぼうだが、そこはかとない優しさが含まれたその言葉に、結衣の目から一筋の涙が零れた。

「だん・・・・な・・・・・さまぁ・・・・・・。」

 結衣が頼れるのはただ一人、虔三郎しかいないのだ。息が止まりそうな程強く抱きしめられながらも、結衣はさらに虔三郎にしがみつく。

「・・・・・さっきからどうも気になっていたんだが、その『旦那様』はやめねぇか?何だか兄貴の女を寝取っている気分になる。」

 この家で『旦那様』と呼ばれる立場の人間は虔三郎の兄、龍太郎のみである。言われ慣れない『旦那様』との呼び名にとうとう耐えられなくなり虔三郎は提案する。

「これからはそうだな・・・・・しばらくは俺の名前に様付けでいいか。」

「けん・・・・ざぶろう・・・・さま、ですか・・・・・?」

「悪くはねぇな。」

 虔三郎はにやりと笑い腰を使い始めた。動く度に結衣の中心から全身に激痛が走る。だが、それ以上に包み込まれる腕の力強さやぬくもり、甘やかな接吻に結衣の心は絡め取られる。そうこうしているうちに徐々に痛みの中から別の感覚が沸き上がり始めていることに結衣は気がついた。

「声が変ってきたな・・・・・痛みさえ気持ちよさに変えちまうのか、それとも根っからの好き者なのか。」

 虔三郎は結衣に囁き、さらに腰の動きを激しくする。

「いく・・ぞ。」

 その瞬間、結衣の膣内に熱い迸りが放たれた。



 気怠い空気の中、二人は寄り添っていた。虔三郎がくゆらせている銀煙管からは紫煙が立ち上り、ランプの光に溶けてゆく。

「今度二人で牛鍋屋にでも行くか。伊勢熊の牛鍋なら女子も食べやすいだろう。」

「え・・・・?」

 思わぬ事をしゃべり出す虔三郎に結衣は目を丸くする。

「根岸の秋競馬は終わっちまったが、仏蘭西からサァカスが来ている。それを見に行くのも悪くない。」

 ぺらぺらとしゃべり続ける虔三郎を結衣は驚きの表情で見続ける。

「とにかく・・・・・もう少し肉付きを良くしねぇとな。抱く度に骨が当たってしょうがねぇ。」

 虔三郎は煙管を煙草盆に置くと、結衣の髪を掻き上げ目を覗き込んだ。その暗緑色の目に結衣は吸い寄せられる。

「言っただろう、俺から一生離れられない身体にしてやるって・・・・・・身体だけじゃない、暮らしも、そして心も---------俺無しじゃ生きていけないようにしてやる。」

 何かを言おうとした結衣の唇を虔三郎の唇が塞いだ。虔三郎の唇に感じる煙草の味は、強い刺激があるものの決して嫌なものではない。

(そんな事をしなくても・・・・・・・。)

 たった一度の情交で、結衣は虔三郎の色に染まっていた。妾になったのは借金を返す為の手段であり、虔三郎が自分に飽きるまでと判っているのに、心はこの乱暴で、繊細な異国の血をひいた青年に惹かれ始めている。己の気持ちを虔三郎に言ってしまうべきなのか。それともこのまま秘めておくべきなのか・・・・・。

(もう少しだけ・・・・・この人を知りたい。)

 煙草の味の激しい接吻を交わしながら、結衣は虔三郎の腕の中、芽生え始めた恋を感じ始めていた。



UP DATE 2009.11.1

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横浜慕情第一話(?)『浜猫の唄』完結しました。一応続きも考えてはおりますが・・・・・どんなタイプのエロが求められているのでしょうか(おいっ)。
ほのぼの系がいいのか、それともカゲキなのがいいのか傾向がいまいち判らず、どっちつかずの中途半端な感じになってしまったのは否めません(苦笑)。
このシリーズは『身体から始まる恋』をテーマに(ミもフタもない・・・・・)、反応を見つつ連載を続けるかてきと~に切るか考えたいと思います。


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