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「横浜慕情(大人向け)」
横浜慕情~虔三郎と結衣

横浜慕情 細雪の温もり・其の貳

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芝居茶屋の外に降る細雪は止む気配を見せず、火鉢だけしかない部屋の中にもじんわりと冷気が忍び寄ってくる。しかしその冷気さえも瞬時にして熱気に変えてしまうほど虔三郎と結衣の抱擁は情熱的であった。
 帯を解かれ、緋色の長襦袢が露わになったあられもない姿の結衣を抱き寄せた虔三郎は、襦袢の裾を蹴出と一緒にからげ、結衣の太腿の付け根まで露わにする。その太腿を撫でながら虔三郎の手はさらに奥へと伸びていった。雪を欺くほど白い結衣の脚は緋色の襦袢や蹴出しに彩られ扇情的な雰囲気を醸し出す。

「虔三郎・・・・・さまぁ。」

 虔三郎の愛撫に身を任せながら、結衣は浮かされたような甘い声で虔三郎の名を呼ぶ。

「そんなに声を殺さなくても大丈夫だぞ、結衣。」

 欲情に潤みきった声を他の誰かに聞かれるのが恥ずかしいのか、声を抑え気味にしている結衣をからかいながら、虔三郎は愛おしそうにその細い身体を片腕で抱きしめた。
 一年前、初めて結衣を抱いたときは痩せこけ、あばらさえ浮いていたその身体は未だにほっそりしているが、だいぶ女性らしい柔らかさを備えていた。あの時は未知なる行為に怯えていた結衣の瞳も、今は虔三郎に対する信頼を湛え潤んでいる。一年の歳月の流れを結衣の身体、そして仕草で感じ、虔三郎は己の額を結衣の額にくっつけた。

「結衣・・・・。」

 いつまでも一緒だとばかりに虔三郎は結衣の唇を深く貪ると、結衣もそれに応えるように侵入してきた虔三郎の舌を吸う。まるで子供のようなひたむきさで虔三郎の舌を吸う結衣にいとおしさを感じつつ、虔三郎は結衣の脚の間に忍ばせている己の手を蠢かした。

「んんっ!」

 くちゅり、とそれと判る音と共に結衣の身体が跳ね上がる。良すぎるくらいの反応はいつもの事だが、虔三郎の指が触れているその場所の濡れ方はいつも以上だった。生まれて初めて舞台上の濡れ場を見てしまい、芝居茶屋といういつもと違う場所で抱かれている為であろうか。蜜壺を探り出し指を挿れてみると、いつも以上に熱くたぎったその場所は虔三郎の指をきゅうきゅうと締め付けてきた。

「さっきの舞台に煽られたか?いつもより感じているじゃないか。」

 結衣の唇を解放した健三は結衣のなかで指を蠢かしながら指摘する。

「・・・・・・・。」

 虔三郎の指摘に結衣は顔を赤らめ首を横に振るが、その説得力の無さは結衣が一番感じていた。虔三郎に嬲られている部分からはどんどん熱い蜜があふれ出し、快感が虔三郎の指から結衣の身体全体に広がってゆくのだ。
 自らの腕の中で乱れ、昂ぶってゆく結衣に虔三郎も煽られるように気持ちを昂ぶらせてゆく。勢いに任せこのまま結衣を押し倒してしまいたい衝動に駆られたが、場所場所であるだけに髪が乱れてしまったら直すのも厄介である。虔三郎は座ったまま自らの着物の前をはだけ、下帯をずらしながら己の逸物を引きずり出すと結衣の腰に手を掛ける。

「結衣、ここに跨れ・・・・・今日はお前が上だ。」

 虔三郎は自らの膝の上を顎で指し示しながら結衣を促した。

「え・・・・・そ、そんな・・・・・。」

 思いもしなかった虔三郎の一言に結衣は戸惑いを見せる。だが虔三郎は容赦せず腰に掛けた手に力を込めた。

「髪が崩れても良いんなら俺は別に構わないが・・・・・恥をかくのはお前だぞ。」

 その一言に結衣は言葉を詰まらせる。ある程度なら直せるかも知れないが、見る人間が見たらすぐに情事の匂いを嗅ぎつけてしまうだろう。だが、それだからと言って続きを止めてしまう事は出来ない。
 結衣は覚悟を決め虔三郎の膝に跨ると、天を向いてそそり立つ虔三郎の逸物の上にそろそろと腰を下ろしはじめた。

「はぁ・・・・・・んっ。」

 結衣の身体を切り裂くように侵入してくる逸物はいつも以上に硬く、大きく感じる。それでも結衣はゆっくりと、しかし確実に虔三郎の逸物を飲み込んでゆき、ようやく一つになった。いつも以上に奥深く感じる虔三郎の存在に、結衣は吐息を吐く。

「この状態で動けるか?」

 結衣の上半身を引き寄せ、首筋に舌を這わせながら虔三郎が訊ねる。

「やって・・・・・みます・・・・・。」

 この体勢では結衣が主導して動かなければならない。結衣は虔三郎にしがみつきながら腰を動かし始めた。さすがに初めての体位なだけにぎこちなさはあるものの、それでも徐々に動きが滑らかになってくる。

「たまにはお前が上になるのも悪くはないな。」

 ようやく自然な動きを示し始めた結衣の尻を両手で支えながら虔三郎は言った。普通の情交でさえ恥じらいを見せる結衣に対し、虔三郎は今まで無理強いをして変則的な体位を求めたりはしなかったが、結衣が恥じらいを見せるこのような交わりも悪くはない。

「いつも以上に締め付けてくるぞ。お前もその気になっているんだろう。」

 虔三郎のからかい半分の囁きに結衣は顔を真っ赤にして否定するが、身体は言う事を聞かない。虔三郎の逸物を締め付けながら高みに昇り続ける。そしてそれは虔三郎もまた同様だった。まるで結衣に支配されているような体位にいつにない興奮を覚えたのか、すでに爆発しそうである。

「もう・・・・・保たないな。一度気をやるぞ、結衣。」

 もう耐えられないと、その言葉と同時に不意に健三が下から突き上げ始めた。その激しい動きに堪らないのは結衣である。

「ああっ、だめぇっ!虔三郎様ぁっ!!」

 結衣は今自分がどこにいるのかも忘れ、あられもない声を上げてしまった。だが、虔三郎はその口を塞ぐ事もなくさらに下から突き上げ結衣を翻弄する。

「色っぽい声で啼きやがって・・・・・だから止められないんだよな。」

 虔三郎はこれ以上はないと思うほど強く結衣を抱きしめ腰を激しく動かすと、結衣の身体の中に熱い迸りを吐き出した。

「け・・・ん・・・・ざぶ・・・ろぉ・・・・さまぁ・・・・。」

 身体の奥に熱いものを受けながら、結衣は虔三郎にしがみついた。身体の中では虔三郎の逸物が脈打ち、心地よい熱を持っている。それを感じながら結衣は甘えるように虔三郎に縋り付いた。

「おまえは・・・・・どんどんいい女になってゆくな。これ以上俺を惚れさせてどうするつもりだ。」

 頬や瞼、そして唇に接吻の雨を降らせながら虔三郎は結衣の頭を撫でた。部屋にある時計は昼休み終了の1時をとっくに過ぎており、すでに次の幕は始まってしまっている。ならばもう一度くらい結衣を堪能する事ができるだろう。

「・・・・・次の幕間までまだ時間がある。今日はお前を孕ませるつもりだから覚悟しろよ。」

 虔三郎に跨ったまましがみつき、荒い息をしている結衣の背中を撫でながら虔三郎は結衣の耳を舐め上げ、甘噛みした。



 結局、虔三郎と結衣が新富座に戻ったのは二幕後の午後三時過ぎであった。結衣が上になるといういつもと違う状況に虔三郎が夢中になりすぎ、時間が過ぎてしまったのである。それでも最終幕にはかろうじて間に合った。

「よっ!紀伊國屋!」

 清十郎に対しあちらこちらから声が上がる。そんな舞台を桟敷からのぞき見ながら虔三郎は結衣の肩を抱いていた。先ほどの情事の熱なのか、それとも舞台の興奮からなのか魂が抜けたようにぼんやりしている。

「少し可愛がりすぎたか?」

 虔三郎がからかうと結衣は真っ赤になって俯いてしまう。

「意地悪を・・・・言わないでくださいませ。」

 蚊の鳴くような声でそれだけ言うと、結衣は袖で顔を隠してしまった。結衣にとって先ほどの情事は、改めて振り返るにはあまりにも恥ずかしすぎる事だったのだろう。

「図星か。」

 くっくっと喉の奥で笑いながら虔三郎は結衣の滑らかな頬に自分の頬を寄せた。まるで愛人か妾に対するような仕草であるが、年が明けたら結衣は紛れもなく自分の妻になるのだ。家同志の取り決めではない、自分の意思での結婚が許されないこの時代の男として虔三郎は極めて恵まれていた。ただ一人、心から信頼できる愛しいひとを妻に出来る----------その幸せを噛みしめながら虔三郎は舞台に見入ってた。



 新富座から出るとあたりはすっかり暗くなっていた。これから飯田屋が用意した酒席での食事がある。別々に舞台を見ていた飯田屋と合流し、近くにあるというその料亭に向かおうとした矢先であった。

「おや、もしかして藤田さんか・・・・・?」

 向こう側から歩いてくる、龕灯を手にした二人の警察官の一方の顔に虔三郎は見覚えがあった。虔三郎は藤田五郎に駆け寄ると自ら声を掛けた。

「滝沢?ああ、横浜で確か・・・・・。」

 藤田の方も思い出したらしい無愛想な顔にほんの少しだけ笑みを浮かべた。

「あの男・・・・・『藤堂』は相変わらずか?」

 同僚を気にしたのか、少し言いづらそうに藤田は藤堂の事を訊ねる。

「ええ、相変わらず大食いの上に恐妻家ですよ。まぁ、尻に敷かれているくらいの方が丁度良いんでしょうけど。」

 先ほどまで文字通り『尻に敷かれていた』状態だった虔三郎は結衣の方をちらりと見て肩をすくめた。その道化た行為に藤田は虔三郎の後ろに控えている結衣の立場を理解する。

「わざわざ江戸くんだりまで出向いて奥方と芝居見物か・・・・・あんたは恐妻家になるような男には見えないが、人は見かけによらないからな。しかし、気をつけろ。ここ最近、東京では自由民権運動の活動者と称して強請たかりや暴行を企てている集団が居るから、そんな奴等に絡まれた日には堪ったもんじゃない。」

 そう言いながら藤田は胸ポケットから折りたたまれた紙を出した。

「声を掛けて貰ったついでで申し訳ないが、この三人の中で知っている男はいるか?仲間内だが人を殺して逃走している。」

 差し出された紙を見つめ虔三郎の表情が変わる。そして同様に紙を覗き込んだ飯田屋や結衣も顔色を失った。

「・・・・・残念ながら、一人知っている男が居ます。」

 声が震えるのを抑えながら虔三郎は真ん中に描かれた人相書きを指さし、続ける。

「・・・・・滝沢昌次郎、この男は私の実の兄です。」

 雪が激しくなる中、虔三郎は絞り出すように藤田の問いに答えた。



UP DATE 2010.12.14

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最後の最後で久しぶりに出てきました藤田五郎こと斉藤一vしかしその出会いは実の兄・昌次郎が人殺しの犯罪者になったという悪い知らせと共に・・・・・でした。ここいらあたりからちょっとばかし雲行きが怪しくなって参りますが、『細雪の温もり』の章ではシリアス場面に突入しませんのでまだお気楽に(^^)山場はこれの次の話になりますかねぇ。いつもは一つの章が終わると別の話に、というサイクルで話を展開しておりますが、今回は別個の話ながら連続性があるのでお正月休みを挟んで引き続き『横浜慕情』を続ける事になります。お正月早々申し訳ないのですが、拍手文で連載している『外伝』へ続く、かなりきわどいエロス&バイロレンスな話になりますのでご了承くださいませね。


次回更新は12/21、昌次郎の犯罪に対する藤田と虔三郎の話&怯える結衣に対しての虔三郎のフォロー(という名のエッチ)が中心となります。
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